当たり前の状態。これはとても快適なのですが危険です。
いつまで売上が安定するかわからない、いつまでこの状態でいられるかわからない。
そんなことを感じながらも、なかなか次の一手を打てないでいる。そんな経営者は少なくありません。
つまりコンフォートゾーン、今いる状況がなぜか心地よく、そこから抜け出せなくなる。
その状況に依存する体質になってしまうのです。これは誰にでもあること。しかし、、
子供自慢が始まった
話しは変わりますが、先日、中高生を子に持つ親と話す機会がありました。
まぁ、何というか、「ウチの子は〇〇高校、○○大学へ進学する」とか、「大会で1位を獲った」とか、子供自慢が始まったわけです。そして「ウチの子は他の子とは違う」とか、「iPhoneを持たせなと周りにバカにされる」とか、どうも甘やかし感が否めないのでした。
そう言えば昔、確かレストランで、愛子さまがお生まれになった時と同時に子供産んだ母親が「ウチの子は愛子さまより可愛いし賢い!」とか言っていたのを思い出しました(そこまで言うとちょっと引きます)。
大切に育てる意味
子供自慢や子供を大切に育てる気持ちはわかります。
しかし、、若手を採用し教育する立場としてハッキリ言わせてもらえば、、いくら有名な学校を出ても、いくら良い成績を収めても、仕事ができなかったら意味が無いわけで。
それは常に感じていることですから、「将来、お子さん苦労しますよ」みたいなことを言ったら、目の色を変えてボロカスに文句を言われました。
私には子供がいませんので、「お前に言われる筋合いはない!お前に何がわかるんだ!」って。
でも実際、私自身が甘やかされて育ってきたので、家族が離散し、独りで生きていかなければならない状況になった時、大変苦労したのです。当たり前だった環境が当たり前ではなくなるのですから。
苦労させないことが苦労を生む
現代は、何もしなくても学校へ通わせてもらい、服も着させてもらい、食事も、おこづかいも、何でも与えられます。
苦労させたくない。周りと同じでいたい。おねだりすれば与えてくれる。今はスマホを持っていない子供の方が少ないのではないでしょうか。まさに受け身の体勢です。
それが心地よくなってしまっている結果、その状況に抜け出すは難しく、環境が変わったときに苦労を生みます。
目的を履き違える結末
以前、某金融機関のお偉い方が「東大出身だからと言って採用しても使えるとは限らない。我々も客商売。頭脳とプライドだけは高く上からモノを言う。営業マンとしてはちょっとね…。」そう言っておられたのを思い出しました。
良い学校に出て安定した企業に就職する。そういう感覚はもう古いです。
「安定した企業に就職するという目的を持つ」と人生を狂わし兼ねません。どれだけ相手に価値を提供できるか。それが仕事の本質だと思います。どれだけ自分の個性やスキルを活かすことができるか。
これからは安定より結果を求められる時代です。安定と言われてきた大企業でさえ、経営存続の足元を揺るがす時代です。価値を提供できない人材は、一番先に「要らない子」の烙印を押されてしまいます。
先日、ある就職斡旋団体に求人票を出したら「事務職の応募ありませんか?」と言われました。毎回同じことを言われるのですが、、。
予想はつくのですが、あえて「何でですか?」と尋ねたら「キツい仕事は人気ないんですよ。事務職なら沢山応募ありますよ」とのことでした。
動機は「簡単、楽そうだから」。
簡単な仕事は誰でもできる。そう気づいた頃には転職ができない年齢になっている。
それに気づかせてあげるのが教育者の役目ではないでしょうか?
欠乏感が必要
日本の高度経済を担ってきた方々は、欠乏した環境に育ってきました。
貧乏だったから、バカにされたから、などの劣等感から爆発的なエネルギーを生み、大きな企業へと成長させていかれた経営者も少なくありません。
欠乏感が無ければ欲も出ない。
今の若者のモチベーションは何なのか?どうすれば意識を変えられるのか?
若者が今まで育ってきた環境を変えることはできませんが、これからは変えることが可能です。
そのためには、当たり前の環境で育ってきたコンフォートゾーンから少しずつ脱却させなければなりません。
これは大きな課題です。