なぜ部下は上司の言う事を聞いてくれないのか?
私の身近でもそういう悩みを持った指導者がおられます。
でも、傍から見ていたら「そりゃ、言う事聞かないよな…」という指導の仕方をしています。
なので、「こうすると人は育たないんだなぁ…」と、反面教師としてコッソリ有難く勉強させてもらっているわけです。
うまく指導ができない原因は、ひと言で言えば「独りよがりの指導法をしている」ということに尽きます。
上司の言う事は絶対だ!
地位や権力で部下を制圧しようとする上司は少なくありません。
つべこべ言わず上司の言う事を聞け!
そういう感覚の指導者の方が多いのではないでしょうか。
しかしそれは武力行使と一緒。
難民ではありませんが、そりゃあ逃げたくもなります。
威圧された人々は、陰で不満を持ち始めます。
厳しく言えば言うほど、理不尽な事を言えば言うほど相手は陰で反発、抵抗し出します。
これは人間の条件反射みたいなものです。
そして自分の思う通りに行かずイライラし、部下に当たり余計に悪循環に陥るのです。
確かに指導者は部下に厳しくなければなりません。
そして悲しいかな、小さな地方の零細企業では、威圧して指導しなければ制御できない若者もいるという事実もあります。
しかし、自分の言う事を聞いてもらうには、まず厳しさ以上に優しさ、つまり愛情を持って部下に接することが必要です。
しかもその愛情が、相手に浸透しやすいものでなければならないのです。
たとえば相手の気持ちを考えず自分の気持ちばかり主張する恋愛は上手くいきません。
「アイツにはいろいろしてあげてやったのに…」
アナタはそう思っていても相手にすれば、
それはただ単に「ありがた迷惑」だけなのかもしれません。
いつも感じる事は、部下を制御できていない指導者は部下から慕われていません。
上司と部下という境界線を引き、心の中で部下を見下している姿を部下は体で感じ取っているのです。
部下から慕われる存在になれば、部下は指導者の言う事を素直に受け入れ育っていきます。
その為には「自分は上司なんだぞ!」というプライドなんか必要ありません。
心を広くして部下を受け入れることが必要なのです。
指導者は部下を統治することが目的ではありません。
それでは独裁国家と同じです。
部下の可能性を引き出し、育て上げることが指導者の真の目的なのです。