先日、新人社員を指導してくれている社員からこんな事を言われました。
「若いヤツら、常識知らないし、仕事なかなか覚えないし、どうしても仕事優先になってしまうし…」
「仕事してたら2人分疲れる。もっと人選できないのか??」
と。
私は普段、人材教育のあり方について持論を展開していますが、そうやって悩みや不満を言ってくれることに対して嬉しく思っています。
なぜならば、その人は不満をぶつけながらも少なからず人材教育に対して向き合ってくれているからです。
そして人材教育に対しての課題が明確になり、話し合いや次への展開が考える事もできます。
しかし、中には指導する立場にあるにも係わらず、部下の教育を完全に放棄している者がいます。
私の知っている会社で「若手が育たない」とお嘆きの経営者がおられます。
その経営者は、成績も優秀、上司にも可愛がられていた営業マンに
「営業で活躍してきたノウハウを若手に継いでほしい」
という想いで管理職として昇格させました。
しかし、昇格した当人は、部下の教育に対して完全な放置をしています。
入社してきた新人社員は何をしていいのかわからず、ボーッと立ち尽くしています。
なぜ、「仕事の指示くらい出してあげないのか?」と尋ねると、
「指示?仕事が忙しくてそんな事してるヒマないわ!」
そう私に断言してきました。
私も管理職になったその人の性格をよく知っているのですが、
枠に捕らわれる事を嫌い、自分の利益ばかり考えている
「組織の人員としてはちょっと…」という一匹狼の性格の持ち主です。
現役時代に活躍した優秀なスポーツ選手が、決して優秀な指導者とならない場合があります。
部下を指導する立場の人間は、何か責任感や使命感などを持ち合わせていなければ指導者として務まりません。
小さな会社の経営者は、従業員数も少なく、おのずと会社の売上に貢献してくれる社員を昇格させてしまいがちですが、
指導者として適格な人材であるか否かを見極め、人選しなければ、若手は育たないどころか将来的に会社の労働生産性が低下することにもなりかねませんので注意が必要です。