- 若手社員が育ってくれない、定着しない、
- なぜ人材育成で失敗をしてしまうのか?
- 人材育成がうまくいかない理由とは?
人材育成にまず必要な”たった1つ”のスキル
人材育成にまず必要な”たった1つの”スキル。それは、、
結論から言うと、それは間違いなく「忍耐力」です。
私は小さな工事会社で、かれこれ50人以上の若者を採用し、育成に関わってきました。
そこで強く感じたことは「忍耐力」がなければ、十中八九、人材育成は成功しないということ。
なぜなら、現代の人材育成は「見て育つ」という時代は完全に終わりを告げ「教えられて当然」というスタンスになってきているからです。
そして、私たちでは考えられないような価値観を持った若者が多いからです。
期待値を上げると人材育成がしんどくなる
人材育成をおこなうときに「このくらいはできるだろう」という先入観を持つとあっさりと期待を裏切られます。
先日、就職が決まったある大学生の、こんなエピソードがありました。
その大学生は、ある会社から内定をもらい、その会社から言われた内容の書類を郵送したんですが、数日後、自宅に「宛先不明」でその書類が自宅に返ってきたそうです。
「ひょっとしたら間違った住所を書いたんじゃないか?」心配になった親が、その返ってきた封筒の宛先を確認したそうなんです。そしたら、、
住所は間違っていなかったんですが、宛名(会社名)がまったく書かれておらず、「人事部宛」としか書かれてなかったそうです。
「会社名を書かなけば届くわけがないだろ!」そう叱ったそうなんですが、当の本人はその意味がわかっていなかったんだとか。
しかも、書類の送付期限から1週間も経過しての出来事で、〆切という概念すら、その大学生には理解できなかったそうなんです。
きっと、若者の言動を見ていると、理解し難いことがいっぱいあるのではないでしょうか?
ビジネスマナー以前の問題で、ある経営者が若者に対して「宇宙人と会話している気分だ」と言っていたのも納得できてしまうようなレベル。
それくらい、今の若者は仕事に対する意識レベルが低いと思っておいたほうがいいです。
それを自分のモノサシで比べようとすると、期待値と現状との間にギャップが生じ、そのギャップにフラストレーションを感じてしまいます。
そのフラストレーションが積み重なると冷静な判断もできなくなります。
忍耐力を養うには、まずは感情的にならずに冷静になることです。
冷静になり”この自問”をすればウマくいく
そして、冷静になったときに、自分にこう問いかけて見てください。
「なぜできないんだ!?」ではなく、
「どうすればできるか?」
「何をすれば成長してくれるか?」って。
この視点を養うことができれば、人材育成のスキルが必ず上がりますし、投資した分のリターンは得られるでしょう。
仔犬を飼育する気持ちで人材育成を
私ごとですが、最近、仔犬を飼いはじめたんですね。
仔犬なんで、もうやりたい放題。すべてものに噛みつきますし、オシッコやウンチも撒き散らす。
で、ゴハンの時間になったから暴れ出す。私の言うことなど到底受け入れてもらえず、躾もあったもんじゃありません。
正直、イライラします。片付けるのは大変だし、噛みつくし、暴れるし、そして怒ったところで聞いてくれるわけでもない。
でも、冷静に考えてみるとわかるんですね。イライラしているのは仔犬が悪いからではないんだって。仔犬は仔犬なりの価値観があるし、イライラしているのは自分のモノサシになっているからだって。
そう考えると「なぜこの子は自分のことを聞いてくれないんだ!」という視点から「どうすればこの子は自分の言うことをきいてくれるのかな?」という視点に変えてみることができます。
そうすると、仔犬の様子を深く観察してみたり、アレをしてみたらどうだろうか?コレをやってみたらウマくいくんじゃないか?って発想が出てくるんですね。
時には、何を考えているかさえわからない動物に「何を今思っているんだろうか?」という洞察まで出てきます。そこには冷静さと忍耐力が必要です。
すると、相手の個性というか特性、パターンがわかるようになってくるんです。
こんな仕草のときはオシッコやウンチをするな、とか、お座りや待てはこうするとウマくいくな、とか、この鳴き方は何を求めているんだろうか、、というのがだんだんわかってくるんですね。
これは人材育成についても同じです。
何をすれば相手が仕事を覚えてくれるのか、成長してくれるのか?
そういった視点に立つと、パターンというものが見えてくるはずです。そのパターンは人それぞれのものもあれば、共通するものもあるでしょう。
そういったものを見極める洞察力、根気、冷静さ、つまり忍耐力が必要です。そして色々試してやってみることです。
育成する気がなければ若手人材は採らない方がいい
仕事を覚えない、育たない理由を相手のせいにしてしまうことは簡単です。
でもそれをしてしまうと、あなたの会社の若手社員が成長するどころか定着することすらありません。これは私が痛感した経験則です。
もし、あなたが若手人材が育たない原因を誰かの何かのせいにするのなら、、若手人材は採らない方がいいです。お互いのためになりませんので。
一方で、仕事を覚えない、定着しない、成長しない原因を自分自身に当ててみると、可能性が大きく広がります。やることがたくさん見出せます。
人材育成は簡単ではありません。思うようにいかない面も山ほどあり、本当にしんどいとは思います。
ですが、しんどいとは思わずに、楽しみながらやって欲しいと思います。そうすれば若者にも必ず伝わりますから。
P.S.
私の仔犬は、ロイって言います。ミニチュアシュナウザーです。
やんちゃで遊び好き。ほんと世話が大変ですが、それ以上の可愛さがありますし、彼から学ぶことがいっぱいあります。
そこから何が学べるか、って考え方、すごく大切だなぁって改めて感じましたね。