「若手人材を採用してもすぐに辞めてしまい定着しません。」
これはお客さんからよく頂く質問です。
- 若手人材を定着させるためにはどうすればいいのか?
- 定着させて成長させるためには何をすればいいのか?
私が今まで、中小零細企業の会社さんの”人材育成に関する”ご相談やアドバイスを受けてきた中で、発見したことがあります。
それは、若手人材がすぐに辞めてしまう、成長しないどころか定着しない会社には、ある”一定の共通点がある”ということです。
挙げればキリがありませんが、今回は「若手人材が定着しない、育たない会社の特徴」を3つに分類してみました。
原因がわかれば課題も見えてきますし対処の仕方もわかってくるでしょう。
もし、あなたの会社で「若手人材が定着しない、育たない」と思ってらっしゃるのでしたら、以下の3つをチェックしてみてくださいね。きっとお役に立てるんじゃないかと思います。
①責任感が無い
人を育てるという責任感が無い人が上に立つと、もちろん下の人間は育ちません。
責任感が無いというのは、別の言い方をすれば「誰かのせいにする」ということです。
辞めさせる会社と定着させる会社の違い
先日、ある会社の新人若手社員が、入社して3ヶ月程度で辞めてしまいました。
その辞めた理由を会社の人に問うてみると、
- 「辞めたアイツの”こんなこと”や”あんなこと”が悪かった」だとか、
- 「現場の人間がちゃんと教育してなかった」とか、
- もう最終的には「親や学校、日本の教育が悪い!」など、
人のせい、何かのせいにしていたのです。
これでは、いつまで経って進歩がなく、堂々巡りになるなぁ。と感じました。
一方で、人が定着・成長する組織はこんな考え方をしています。
- 「なぜ辞めてしまったんだろう?」
- 「なぜ育たないんだろう?」
- 「どうすれば定着してくれるだろうか?」
- 「どうすれば成長してくれるだろうか?」
人が定着しない、育たない原因を相手のせいや、何かのせいにするのではなく、常に矢印を自分に向けて自問しています。
そのような人は、常に改善を続けていきます。つまり、人を育てる側の成長が、若手人材の定着・成長に繋がるのです。
ですから人を育てるの上手な人は、常に「人材育成に対する意識が高い」わけです。
人を育てるという責任感が無い原因
そもそも人が育たない、定着しない会社を見ていると「人を育てることは自分の仕事ではない」というマインドを持った人が多いことに気づかされます。
このマインドこそが無責任を生む原因だと私は考えています。
まずは、「自分の仕事は人を育てることだ」という意識にさせる必要があります。
そのためには現場の人間に対する経営陣からのアプローチも重要になってくるでしょう。
②育てるノウハウが無い
ノウハウがすごい人たち
先日、ある農家さんからイチゴをいただきました。そのイチゴ、めちゃくちゃ甘くて美味しいんですよ。
記憶は不確かですが、普通のイチゴに比べて糖度が1.5倍ほどあるとおっしゃっていたような気がします。しかも聞けば百貨店のバイヤーが「売って欲しい」とお願いにくるほどだそうで。
一方で、酸っぱくて食べられないイチゴもあります。見た目も味もテンションが下がるようなイチゴです。
一体、その違いは何なのでしょうか?
それはノウハウです。
農家さんから頂いたイチゴが甘くて美味しいのは、美味しく育てるノウハウがあるから他なりません。
温度管理や湿度管理、水量の調整、肥料をやるタイミング、朝は早くから農場に出向き、毎日目が離せないそうです。1日でも目を離したら状況が一変することもあるようで、旅行にすら行けないとおっしゃっていました。
それだけの苦労や努力が積み重なり、ノウハウとして蓄積されていくんですね。
私自身「農作物なんて簡単だ。」なんて甘くみていた部分もありますが反省ですね。
ただ水と肥料をあげていれば美味しく育つわけでもありませんし、ましてや水すらあげなければ腐ってしまうだけなんです。
人材育成ノウハウを習得していくには?
これは人材育成においても同じでです。
若手人材が成長するためのノウハウがなければ人は成長していきませんし、放置すれば腐って辞めていくだけです。
農家さんが上手に作物を育てるように、人を上手に育てるというノウハウがなければ、成長するどころか定着もしません。
とは言っても、育て方は人それぞれです。ムラが出るのが現状です。なぜなら、人材育成を任されている年代の人の多くは、その人自身にお子さんがいたりするからです。
つまり「子供を育てた経験=人材育成ができる」と重なり合わせている人が少なくないのです。
そのような背景もあり、社内で人が言っていることがバラバラで統一性に欠けていたり「人材育成は技術力である」という意識を薄くさせているのかもしれません。
では、どうやってノウハウを習得していくか。
それは経験を積むしかありません。現場でPDCAサイクルを回していくしかありません。
とは言っても時間がかかりますよね。
そこで、一番シンプルな方法があります。
それは、
小さな会社がすぐにできる人材育成術
人材育成をする人間が、部下や後輩から「好かれる・慕われる・尊敬される・憧れる」存在になること。
従業員数の少ない中小零細企業は、実際コレだけで事足ります。
計測してみればわかるのですが、下の人間から好かれている上司と、嫌われている上司。若手人材の成長度合いや離職率の違いがもう歴然とします。
しかしこれはデメリットもあります。それは、上の人が辞めてしまえば、その下の人も一緒に辞めてしまうリスクがあることです。
これは実際、私も経験しています。軍団ができ、その軍団が抜けてしまうと会社は大ダメージです。
そのためには管理職や経営陣がしっかりと管理しておく必要があります。
長期的に人材育成を安定させるには
他にも、育成する側のスキルに頼らない方法としては、仕組み化する方法があります。
人材育成を任されている人の中には精神論ばかりを唱える人も少なくありません。
私から言わせてもらえば、精神論ばかりを唱える人は、人を育てるのが下手くそな人なんですね。というより、ノウハウが無いので精神論に走ってしまうようです。
今の若者は、仕事のパフォーマンスに対して、精神論で何とかしようと思っても無駄です。逆にパフォーマンスやモチベーションを下げてしまいます。
ですから育成する側の資質に頼らず、システマチックに仕組み化する方法が挙げられます。
完全には難しいですが、ある程度仕組み化すれば、若手人材が何につまずいているのか、パフォーマンスが上がらない要因を見つけやすくなります。
誰が人材管理をおこなおうと、モニターで生産ラインを見ている感覚で人材育成の過程をモニタリングできますので有益です。
仕組み化はめちゃくちゃ労力がかかりますが、長期的に見れば人材育成が安定します。
特に中小零細企業となると、ほとんど仕組み化していませんので、他社との差別化にもなるでしょう。
でも仕組み化する方法を話しだすと1日以上かかりますので、ここでは割愛します。
③辞める・育たない人材を採用している
来るもの拒まずになっていないか?
人を育てる意識も高いし、責任感もある。人材育成のノウハウも改善し精度を高めていっている。
でも若手人材が定着しないし成長しない。
もし、そんな状況であれば、もしかしたら「そもそも定着しない、成長しない人材を採用してしまっていないか?」を考えてみましょう。
私たち中小零細企業は、求人を出してもなかなか応募につながりません。ですから応募があれば来るもの拒まずで採用してしまいがちです。
転職回数が多い人、よく遅刻や無断欠勤をする人、トイレばかりに籠っている人、スマホに執着する人、そもそも向上心が見られない人、etc
そのような人材を引き寄せてしまっているがために「そもそも定着しない、成長しない人材を採用してしまっている」という結果を生み出している可能性が高いのです。
定着して成長する人材を獲得する方法
それらを解決する方法は、欲しい人材を引き寄せて、欲しくない人材からの応募が来ないように仕向けるということです。
そんなことできるの?って思うかもしれませんが、できます。なぜなら、私自身、そうしてきたからです。
たとえば求人のメッセージの発信1つでも、応募してくる層が変わってきます。
この手法は勉強会やコンサルティングの中でもお伝えしているのですが、、これができると、人材育成がラクになります。
なぜなら、ある程度モチベーションが高い状態で入社してくれますし、実際に現場からは「昔と比べて労力が減ってラクになった」という声をもらっているからです。
ですから、そもそも定着しない、成長しない人材を採用してしまっていないか?ということも考えながら、「間違ったメッセージを発信していないか?」も問うてみて下さい。
まとめ
いかがでしたか?この、3つの共通点は、若手人材が定着しない育たない会社に共通する特徴だと強く感じています。
そして、ここまで読んでくださった方は、気付いてらっしゃるかもしれませんが、、
若手人材が定着しない、育たない原因は、その若手人材のせいだけはないということです。
他の人のせいだったり、誰かの何かのせいだけでもありません。
まずは自分自身に焦点を当ててみましょう、ということです。
たとえば、すぐに辞めてしまうような人材を引寄せて採用してしまうのも私たちの責任です。相手は悪くありません。
このような視点に立てると状況が変わってきます。それができてはじめて、相手がどうなのか?追求をすることができると私は感じています。
何度も言いますが、何でも”誰かのせい”、”何かのせい”にすると、本当に進歩がありません。堂々巡りをするだけです。なぜなら、私自身、そのような経験を何回もしていますし、今でもしているからです。
ですから今一度立ち返ってみて、あなたの会社に若手人材が定着し、成長し、活躍できるような環境をつくりあげて下さい。
必ずできると信じています!最後までお読み頂きありがとうございました。