働き方改革という言い訳に流されると…
待遇・労働条件をエサに人材を求人するということは、商売の価格競争と似ています。仕事を獲得できないから価格を下げると言っているようなものです。
するとどうなるか?「価格だけ」にフォーカスされたお客が集まります。そんなお客さんはどういう人でしょうか?
他社と天秤にかけられ、安いところへどんどん浮気していきます。値段を叩かれ、それに応じると調子に乗り、どんどんケチをつけてきます。そんなお客ばかりを相手にしている会社の体力は、スケールメリットがない限り消耗していきます。さて、そんなお客は優秀なお客さんと言えるでしょうか?
これは人材市場においても同じことです。
待遇改善など、労働条件にメスを入れることは、極論を言ってしまえば誰でもできます。誰でもできるということは、いずれ労働条件競争に陥ります。労働条件競争に参入すれば「労働条件しか見ない人材」が集まりやすくなります。
たとえ仕事をしっかりこなしてくれたとしても、毎年昇給をしなければ会社の文句を言いふらし、他に待遇の良い会社に誘惑されたらホイホイ付いて行ってしまうような人材かもしれないのです。
それだけならいいのですが、「今日の友は明日の敵」。その人材があなたの会社のノウハウと顧客をかっさらい、来月にはあなたの強敵になってしまうことだってあり得るのです。
その前にやるべきことを見い出すべし!
待遇・労働条件を見直す。その前にやることは沢山あるはずですよ。たとえば、会社や仕事の魅力をもっと伝えることはできなだろうか?などですね。
もちろん「どうしていいかわからない!」ということもあるでしょう。そんな時は、私を含め、誰かに相談されると良いです。
ただただ漠然と労働条件にメスを入れることは、怠慢としか言わざるを得ませんし、会社の体力がどんどん消耗していきます。待遇・労働条件は最終手段にしておくことをおススメします。(次のページへ)