先日、人材確保に苦しむ会社の経営者から「週休3日制にしようと思うけど、どうか?」というご相談を受けました。
私は、「なぜ週休3日制にしようと思ったのですか?」と問い合わせたところ「働き方改革が必要だし、優秀な人材を確保できるって社会保険労務士から聞いたから」とおっしゃっていました。
最近増えましたね。「週休3日制にすべきだ!」と、何の検証や根拠もなくアドバイスする評論家が。「人材不足??だったら給料上げればいいじゃん」と言っているくらい無責任です。
簡単には言うけれど、経営者としてはたまったもんじゃありませんよね。人件費に見合った労働生産性が上がればいいのですが、必ずしもそうではない。嫌でも最低賃金は上がっていくし、新入社員だけ休みを増やしたら従業員からの反発は必至です。こういった無責任な発言は慎重に判断しないといけません。
結論的に、相談を受けたこの会社には、労働条件を見直す以前にもっと改善するところがありそうです。
これで本当に優秀な人材を確保できるのか?
週休3日にすれば心に余裕ができるし、副業をすれば相乗効果が上がる。それは間違いではありませんし否定するつもりはありません。オンオフの切り替えをちゃんとすることで労働生産性が上がるという人もいるでしょう。そういう人なら、このシステムは合うかもしれませんね。
しかし、そんな人ばかりではありません。
私の知っている限り(私の先入観かもしれませんが…)、優秀な人材というのは、仕事に夢中でガムシャラでオンオフの境目がありません。「思い立ったが吉日、その日以降は凶日」というのでしょうか。急に思い立ったらすぐに行動に移しますし、「もう退社時間だから終わりにしよう」とか、「今日は休みだから後にしておこう」なんて人はあまり見かけません。
他にも「賃金とか休みは関係ない。やりがいだ!」という人がいるのも事実。そんな人には、仕事の大義や「ワクワク、活躍できる環境」を提示するべきで、待遇・労働条件だけを提示しても見向きもされいないでしょう。(次のページへ)