先日、高卒就職説明会に参加してきました。
私が高校を卒業した時は「就職超氷河期」と言われていました。就職に強い商業高校でしたが求人倍率は1.0前後でした。
しかし平成27年度の厚労省の資料を見ると約1.5倍ほど。地域によっては2倍を超えているところもザラにあります。
そして今年も…もちろん求人数は増加しています。
意識していますか?…
小さな会社、零細企業に応募してくる多くの若者は、夢や目標を持っていません。
逆に何かしら夢や目標を持っていればあなたの会社に応募してくることはほとんどないでしょう。
もし応募してきても、とても曖昧な理由でやってきます。
最近は嘘でも「興味があって応募しました!」などと言いませんよ。そのままストレートに言ってきます。
「家から近いからです。」「なんとなくです。」「他社が採用してくれなかったからです。」と…。
「私が若い頃は…、車が欲しくてがむしゃらに働いた…」などと思っていませんか?
そう思っている時点でアウト。若者を獲得することは不可能に近いでしょう。
なぜなら価値観は180度変わってしまっているのですから。
価値観は今と昔は違う。これはいつの時代でもそうです。
意識は変化している
ひと昔前は「ある夢や目標」があり、その手段として「その会社に就職したい」という目的がありました。
例えば、「いいクルマに乗りたい!」という目標があり、いいクルマに乗るには「お金を稼げる建設業だ!」といった具合です。
しかし現在は「何をやりたいのかわからない」、ゆえに「どこで働いていいのかもわからない」となっています。
本当は働きたくないけれど「世間体があるから働く」という人が増加しています。ですから「家から近い」「なんとなく」といった理由が出てくるのです。
ですから就職しても「働く意義や目的」というものが無くすぐに辞めていってしまうのです。
最近特に感じるのですが、飲食店などのサービス業に携わっている、無表情で愛想のない、血の通っていない若い店員が多く存在するのは、その人たちには夢や目的が何もないからです。逆に言えば、その会社の人材不足、教育の難しさを露呈しています。
まさにカオス時代というのでしょうか。この混沌した世の中は良くなることはないでしょう。
与えること
そんな若者達に「夢を持て」「目標を持て」と言ってもムダです。こちら側から「与える」ことをしなければ、自ら持つことはしません。
ここはとても重要です。「はぁ?なんでぇ!?会社は学校でも親でもないぞ!」と思った方。もう一度この記事の最初から読み返してください。現代の若者は能動的ではなく、受動的なのです。本当は夢や希望、目標は持ちたいけれど、持ち方を知らないのです。混沌とした時代が長く続いているのですから無理もないと思います。
目的が無い者には目的を与え、考えのない者には考えを与え、使命を持たぬ者には使命を与えないといけないのです。これが現実です。
「この人、この会社なら私の何かを変えてくれる!」そう感じさせる会社でなければ仕事が続かないどころか応募すら来ません。
与えなければ…
あなたが採用した若者に夢や目的を与えなければ、他の誰かが夢や目的を与えて終わりです。
夢や目的の無い若者には心にポッカリ穴が開いています。そして心の穴を埋めてくれる人を待っています。あなたがそれを埋め尽くさなければ、それらをヨソに求めるようになります。
例えばそこに誰かが「君には、他にも自分に合った仕事があるよ…」と言ったとします。そうすると、心の穴はその言葉で一気に埋め尽くされ、その若者はあなたのもとから離れて行くといった現象が起きます。だから若者の離職率は高いのです。
それが現実であり、若者の離職率が高い真の理由です。
年々、人材採用・人材教育は難易度が増しています。求人票を出して、広告を出してはい終わりではなくなりました。旧態依然としたやり方や小手先のテクニックはもう通用しないのです。
いかに若者の意識を導くことができるか?これがポイントになるのではないかと思います。
そして若者の意識を導くための環境。会社のビジョン、経営者や従業員の意識はどうか?
意識改革と行動改革が必要だと痛感する今日この頃です。やるべき事は沢山あります。