私はかねがね「商い術と人材獲得術は似ているものだ」と申しております。
お客様を呼び込む為の集客術も、人材を獲得する為の求人術も
「人を呼び寄せる」という意味では、
「自社の魅力を存分に伝える」
という観点からすると同一だからです。
しかし
商い術と採用術は似て非なるもの…。
これを言ってしまうと「なんや、ウソかいな~」と言われそうですが、
ビジネスで儲ける手法の1つとして、
誰もやらない・やりたがらない仕事をこちらの言値でする
ということが挙げられるかと思います。
これを人材採用に当てはめてみますと
誰も採用したがらない人間を低賃金で獲得する
ということになるでしょうか。
そう考えると…まぁ、これはちょっと厳しいですね。
プロ野球界で言ってみれば、
ドラフトでは下位で鳴かず飛ばずだった選手が、いつの間にか1軍のレギュラーで大活躍。
破格の契約金と年俸で獲得した途端、成績が振るわない選手になってしまったビッグスター。
ようは、いくら良い人材だと思っても期待以上の活躍をしてくれるとは限りませんし、
思ってもみない人間が何かのキッカケで能力を開花させることだってあります。
自分の努力と、人との出会い、そして環境によって人の能力は存分に発揮できるのです。
我々指導者は、その人の能力を最大限発揮することができるよう、環境を整備し、また本人の意識を変え努力を促すよう努める義務があります。
なぜなら
人を成長させ、会社の利益に貢献する人財に育てる
それが指導者の役目でありミッションだからです。
そう思えば、今は冴えない人材でも採用し、真剣に向き合って教育することで才能が開花し、会社に利益を生んでくれるような人財になってくれれば、もうこれは立派な商い術と言えるでしょう?
先日、とある指導者が
「アイツは何度言っても覚えない。オレの言う事も聞かないし、もう無理だな…」と言っておりました。
その「アイツ」は入社してからまだ3ヵ月…です。
正直、根気の無い人には指導者は向いていないかもしれません。
その指導者は
「なぜアイツらは、俺の言った事を覚えようとしないんだ!」
…と腹を立てていました。
自分目線、つまり相手のせいにしているわけです。
それよりかは、
「なぜ、その「アイツ」らは、アナタの言う事に対して覚える気がないのか?」
と、自分の至らぬところを真剣に考えた方が良さそうです。
話しが少し逸れましたが、指導・教育は根気のいる仕事なのです。
それにしてもお金でモノを言わしてビッグスター選手を獲得するプロ野球界はどうなんでしょう。
たしかに宣伝効果にはなりますが、そのお金があったら、金の卵である若手選手をもっと育成できると思うのですが…。