建設業工事会社の採用担当として今の会社に受け入れられてから早数年、
私が不動産・建設会社で営業をしていた頃の建設業界は相変わらずの不景気で、
仕事の取り合い、安請け合い合戦でした。
主に法人向けに、土地などの不動産の仕入れ販売・仲介から、新築やリノベーションを受注する強みを持っていた会社だったのですが、
当時は企業の設備投資も乏しく、売り上げに伸びやむ時代を過ごしました。
でも現在はどうでしょう。
仕事が溢れ、断るほど仕事があるという状況。
人手不足の問題もあり、仕事を請けれないという状況もありますが、数年前では考えられない状態です。
そして、最近少しずつですが、
「現調、見積もりは有料」
(カタログの請求も有料)
ということを耳にしますし、普及しているようです。
仕事を発注する前提で見積もりを依頼してください!
と、遠まわしに言っているようなものなのですが、
こんな殿様営業してみたかった!
この話しを聞いた時、営業の仕事をまたしたくなってしまった私なのですが、これが本来の姿ではないかと思うのです。
「見積もりを無料」にしてしまうから「相見積もり」や「値下げ合戦」、「冷やかし」が出てくると思うのです。
私が営業をしていたころは、よく施主から足元を見られたものでした。
特に建築となると、他社との差別化や、特に付加価値を提供できる会社でもなく、殿様商売ができるような状況ではなかったので苦労したのを覚えています。
現調や見積もりには費用と時間が発生します。受注ができなければ意味がありませんし、冷やかし客を相手するようものなら時間と費用を無駄にします。
「見積もりは有料」とすることにより、真剣になっているお客さまだけを浮き彫りにすることができる。
逆の立場からすれば、本気で計画を練っているのなら、費用を払ってでも見積もりを依頼するでしょう。
「見積もりにお金かかるの??別に他にも業者いるし、お宅はいいや!」
という相手は所詮そのレベル。冷やかし客か、相見積もりをして値段を叩かれ、利益を得ることができない相手かもしれません。
特に仕事がない状況の時は「仕事を回転させないと!」という思いから、相手から見積もり依頼をチラつかされると「喉から手が出そう」になってしまいますが、そこはグッとこらえなければいけなかったのかもしれませんね。
リーマンショック後の不景気でも「相見積もりをするならウチは降ります!」という建設会社が存在していたことを思い出しました。その会社の内情は知りませんが数十年存続しています。
しばらくこの仕事の過熱感は収まりそうにもありませんが、もし建設業界がまた不景気になってしまっても「見積もりは有料!」という習慣が根付いてくれることを願っています。
今回は「人材獲得・育成」の話しとは違いますが、「営業から距離を置いて気づいた」お話しでした。