人手不足が深刻化している建設業界。建設業界だけではありませんが、
『人が集まらないなら賃金・人件費のアップを!』
と叫んでいる評論家や採用系コンサルタントが増えています。
確かに人件費を上げれば人は採用しやすくなります。評論家やコンサルタントは簡単に言いますが、経営者からすればできるだけ避けて通りたい問題です。果たして人件費を上げるだけで済む問題なのでしょうか?
マーケティングから学ぶ
私は常々「マーケティング手法を人材採用・教育にも生かせないのか?」と考えながら活動しています。
マーケティング手法の1つとして、競合他社と価格競争に陥った場合、それを回避する方法として、
・独自性を打ち出す
・ブランド力を高める
・価格以上の価値を提供
・売り方を変える
などの方法があると言われています。
簡単に言えば「商品・サービス価格を超える満足を得られれば支払いを惜しまない」ということです。決して価格ありきではないということです。
給与以上の仕事価値を
価格競争回避のマーケティング手法を「人材獲得・育成」に当てはめれば、
「給与以上の価値」つまり
・給与を超える仕事のやりがい
・会社で働けることの誇り(社会的地位や会社のブランド力など)
を持てる環境であれば、賃上げをするという問題を回避できるのです。
個人差はありますが、いくら給与が高くても心身的に辛い仕事や、やりがいがなかったら長くは続きません。
そしてなぜ賃上げより仕事の価値が大切なのか?
それは、仕事に対する「楽しさ」や、「やりがい」というものがなかったら人間は成長しないからです。
賃上げを優先してしまったらどうなるでしょう?
それに「あぐら」をかいてしまう人間が絶対に出てきます。
獲得・育成した「人材」が成長し、会社の売上に貢献できる「人財」となり、はじめて「賃上げを行う」という順番を絶対に間違えてはいけないのです。
ですから、評論家やコンサルタントの話しは鵜呑みにしてすぐに待遇を上げてはいけません。
「賃上げ」を考える前に「仕事の価値を高める」ことを考える必要があるのです。
求職者には「仕事の楽しさ、やりがいを知ってもらう」こと、従業員には「仕事に楽しさや、やりがいを見出してもらう」ことがポイントなのですが、これにはいろいろ手法がありますので、改めてご紹介したいと思います。