人手不足が深刻化している建設業界。建設業界だけではありませんが、
『人が集まらないなら賃金・人件費のアップを!』
と叫んでいる評論家や採用系コンサルタントが増えています。
確かに人件費を上げれば人は採用しやすくなります。評論家やコンサルタントは簡単に言いますが、経営者からすればできるだけ避けて通りたい問題です。果たして人件費を上げるだけで済む問題なのでしょうか?
賃金・人件費のアップは短期的な効果にすぎない
人件費のアップは、マーケティングでいえば「他社との競争が激しくなってきていますので商品価格を下げましょう!」と言っているようなものです。
それを平然と言うコンサルタントは私は大嫌いです。誰でも簡単に言えます。
お金の話し、特に支出のウエイトが大きい人件費になると、売上が減少すればモロに経営を圧迫させる一因となり慎重にならざるを得ません。
「人を採用するために給与待遇を上げる」、「優秀な社員を繋ぎ止めるために給与をアップする」ことは大切ですし、やった方が良いとは思います。
しかし、気をつけなければいけないことは「それが当たり前」になってしまうことです。
給与を上げれば社員の士気は上がります。でもそれは一瞬です。数か月もすればその給与水準が当たり前という感覚になります。なぜならその給与水準で生活をするからです。
経営が圧迫しはじめ、給与を下げる話しになったとします。そうなれば社員のモチベーションは、給与を上げた時のモチベーションの3倍以上反比例していきます。
例え1000円でも手取り額が減ってしまえば3000円以上のモチベーションが下がるのです。
内部要因である会社の売上、外部要因であるGDPや物価の上昇率などを無視して給与を上げることは大変危険な行為となります。環境変化のサイクルが短い環境では、賞与・ボーナスで還元する方が得策です。
それでも好待遇で人を集める場合は「お金で集まってくる人間」は「お金で去っていく」ということを肝に銘じて採用活動を行うべきです。
では、つづきは次回にお話しします。今日はこの辺で…。