ある工事会社の経営者の方から
『若者がすぐ辞める。どうしたらいいのか?』
という相談を受けました。離職により人手不足が深刻化しているというのです。
その会社の様子を伺ったところ、『これでは…』という状況でした。
朝は教育者である管理者が、社員の身だしなみ(寝ぐせや服装など)のチェックを行い、挨拶のしかた(おじぎの角度や声の大きさ)、そして集合時間に1分でも遅刻しようものなら怒鳴りつけるという徹底ぶりです。
仕事中も、少しでも遅れをとると暴言を吐かれ、時には手が出てしまう程で、いつもピリピリした空気だけが流れていました。仕事中はもちろん、仕事以外でも彼らに笑顔がありません。リーダーの顔色ばっかり伺っていました。
リーダーの方に『まるで軍隊みたいですね』と尋ねたところ、
嬉しそうに『軍隊のような組織を目指しているんです』と言っておりました。
確かに軍事パレードなどを見ているとビシッと揃っていて気持ち良いものではありますが、これは管理者のエゴの何者でもありません。
聞くと、やはりこの会社の20代以下の離職率は5割を超えていました。
会社というものは「統制」や「規律」も大切なのですが、決して「軍隊ではない」ということを認識しなければなりません。
人を教育する立場にある管理者の方の多くは、統制や規律を優先し、社員を『会社の色』『自分の色』に染めようとしますが、これは間違いです。
たとえ、その色に染まっても「社員が会社の為に貢献してくれる人材」になってくれなかったら意味がないのです。
つまり「お金を生む人財として教育すること」に焦点を当てなければいけないのです。
この会社は、規律や統制を優先し過ぎているあまりに、言われたことしかやらないような従業員ばかりのようでした。なぜなら、違うことをしたり失敗をすると厳しく怒られるからです。それでは失敗からの経験や、自発性も生まれませんし、モチベーションも上がらないでしょう。
聞くと現に、「次期リーダー候補になれる存在がいない」とのことでした。
人材を採用するということは人に投資をするということです。離職率が高いということは、それだけ将来のお金を生む機会を損失させているということです。
「人材を人財にする」これこそが教育者のミッションなのです。
これさえわかっていれば教育のやり方も変わってくるはずです。
いつも読んで下さいましてありがとうございます。
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