ご覧のように、ココに何の変哲もない普通の電車の写真を載せてみました。
でもこれには理由が2つあります。
1つ目はあなたの視線を止めたかったから。そしてもう1つは、この電車に中小零細企業がすべき「人材獲得の最強のヒントが隠されているから」です。
人材にかかるコスト、いくら?
あなたは今、求人広告にいくら払っていますか?賃金はいくらで募集していますか?
そして人材採用にかかるコスト、そして育成にかかるコストは把握されていますか?
先日も、ある飲食店の経営者が「人材が全然集まらないので思い切って時給1000円以上にしようと思います」とおっしゃっていました。(私が20代の頃は昼間の時給800円前後、夜勤でも1000円でしたからホント羨ましい限りですよ!)
「しんどくないんですか?」と経営者に尋ねたところ、「正直、しんどいです。でも人が集まってきませんから…」とおっしゃっていました。
飲食店はとりわけ人材不足や人材の質に悩まされています。ゆえに「高い時給を提示すれば、それらが解消される」と思い込み、高時給合戦が繰り広げられています。
これは飲食業界ではありませんね。人手不足が顕著な建設業や運送業、福祉関連etc…最近は政治家まで人手不足なんじゃないか?そう言われるくらい、挙げればキリがないくらい人手不足です。
賃金競争はいつまで続けるつもり?
そこで私が申し上げたいのは「これをいつまで続けるつもりなのでしょうか?」ということです。
一体、賃金をどれだけ上げれば人材を確保することができるのでしょうか?と。
このような状況がずっと続くとは言えないですが、経営が圧迫されることは必至です。最近は「もう無理!!これ以上、単価を上げられない!!」と悲鳴を上げている会社もあります。
それよりも問題なのは「賃金を上げれば人材が確保できる」という考え方や、求人採用活動に注力せず、むしろ、そこから逃げ出してしまっているような気さえしてしていることです。
また、私の経験上、そういった会社は「人材は使い捨ての道具」と考えていることも少なくありません。
賃金競争なし!人材コストもほぼ必要なし!?
でも…もし、人材にかける金銭的なコストがほとんどかからずに人材を確保できると言ったらどうでしょうか?
賃金UPの人材獲得競争も必要ない、バカみたいに高く、ほとんど意味のない求人広告費を払わずに済むとしたら?
しかも、それほど人材育成もすることのない、有能な人材が集まってきたらどうでしょうか?
めちゃくちゃ良くないですか?
今回は、私もいろいろ試行錯誤している状態ですが、その方法を実現させるためのヒントをシェアできればと思います。
但し、これは簡単な方法ではありません。今日やって明日効果がでるようなものではありませんし、誰かに任せておけばいいだろう、、というものでもありません。
でも、これが実現できたら…、、極論、求人を出さなくても応募が集まる…そんな状態を作り出すことができるかもしれません。
どうすれば脱却できるのか?
今のご時世は”かなり”の採用難ですよね?求人倍率もじゃんじゃん上がっていますし、求人を出すだけでは人を確保することはできません。
待遇面でアピールしてもなかなか応募が集まってこない時代です。
やっと採用できたと思ったら…、、とんでもなく使えない人材だった。なんてこともザラにあるでしょう。
先日も、知り合いが経営している会社に人材の応募が来たと思ったら…転職まみれの40代だったそうです。
それでもその知り合いの会社は高齢化が進んでおり、「若手人材が来た!(40代でも若手扱いされる時代にもなってきたのでしょうか…)」って喜んでいました。
でも、採用した次の週には、もう会社を去って行ったそうです。
なぜ、あの職業は就職倍率が高いのか?
採用難、求人倍率が高い状況で、逆に「応募倍率・就職倍率」が高い人気業界・業種があります。
たとえば、プロのスポーツ選手、ゲーム関係の仕事、シェフ・パティシエ、医師etc…ですね。
なぜそういった業界・業種の応募倍率が高いのか、、考えたことはあるでしょうか?
人気だから…?
確かにそうですが、じゃあ「なぜ人気なの?」を探っていくと、何か人材採用でヒントが得られるんじゃないか?って考える時が多々あります。
3つのアプローチ
そこで「なんでいつも応募倍率が高いのかなぁ」って私なりに追求していったら、どうやら大きく3つに分かれているんじゃないか?って気づいたので、その3つをシェアしてみたいと思いますね。
1、洗脳教育
洗脳とは読んで字のごとくで、「仕事をするならこんな職業がいい!」と思わせることです。それは子供の頃からの親の影響であったり、メディアからの影響も大きいでしょう。
「仕事に就くなら公務員がいい!」「大企業がいい!」と思ってしまうのも、安定しているとか、ボーナスがいいとか、そういった誰かが何かしらの洗脳を仕掛けたからです。
とはいえ、公務員だって激務な時があります。公務員によっては残業もありますし、胃に穴が空くような折衝や人間関係、そして忖度もあるわけで。そういった見えない部分はどの仕事にもあります。
でも、それでも人気なのは、そういった洗脳教育がされている面が強いことは否めません。
2、普段の生活に馴染みがある
洗脳とちょっと被りますが、たとえば、日常生活の中で見聞きするような職業や、テレビのドラマ、CMなんかで露出度の高い職業ですね。
プロのスポーツ選手、ゲーム関係の仕事、シェフ・パティシエ、医師etc…、どれも普段の生活に染みわたっています。
食品メーカーの就職倍率がめちゃくちゃ高いのも、普段からパッケージを見ていたり、CMを見ていたりと馴染みがありますし、「半沢直樹」が流行った頃は、銀行員の応募倍率が上がったという話しもありました。
3、憧れ
これは”言わずもがな”で、プロのスポーツ選手も、シェフも、お医者さんも、みんな憧れられている職業です。
ではなぜ”憧れるのか?”といことです。それはひと言で言えばカッコイイからでしょう。
何かひたむきに取り組む姿勢だったり、世の中に役に立つような仕事と思われていたり、もちろん収入面もあるでしょう。
人気のある職業は「洗脳教育、普段から馴染みがある、憧れ」この3つが上手く絡み合っているんだと思います。
中小零細企業ができること
私の個人的な意見としては、3番目の「憧れ」こそが、中小零細企業ができる最強の人材獲得法だと感じています。
というより、「1.洗脳」も「2.普段の生活に馴染みがある」も、中小零細企業にとってはかなり敷居が高く、コストもかかります。でも「3.憧れ」なら一番実現できそうな気がしませんか?
憧れを生む、ちょっと面白い動画を見つけました↓。
ポイントは、運転士さんの子供に対する粋な気づかいです。
もちろん子供は電車が好きだから…という前提はありますが、こんな粋なことされたら、たとえ運転士さんじゃなくても、その人を嫌いにならないワケないでしょう。
それどころか強く印象に残ります。子供は喜ぶわ、それを見た親も喜ぶわで、「ボク、大きくなったら電車の運転手さんになりたい!」と思うのも至極当然なことです。
西川きよしの「小さなことからコツコツと」ではありませんが、普段からこういった小さな心づかいが大切だなぁ…って思った瞬間でした。
ちなみに私が関わっている建設業界では、こんな子供の心を温めるような動画は見つかりませんでした。
どちらかと言えば「建設業界は野蛮」というようなイメージの方が強く印象付けられています。実際に犯罪率が高かったり、普段目にする人たちは横着で横柄な人が少なくない。
そんな中で「工事のお兄さんカッコイイ!!大きくなったら工事のお兄さんになりたい!」って思ってもらえないのも当然ですし、もしそう言ったとしても「そんな仕事、やめておきなさい!」と親に言われてしまうことでしょう。
最強の人材獲得術
私がいつも頭の中にあることで、コンサルティングをおこなっている企業さんにも伝えている事があります。
それは、求人を出さなくても、向こうから勝手に「給料なんていくらでもいいので働かせてください!」と言ってもらえるようになることだという事です。そうなったらもう最強なんじゃないか?と。
求人するコストは必要なし、待遇競争に参加する必要もなし、ましてや仕事に対してめちゃくちゃ意識の高い人間がやってくるんですよ?人材育成に余計な労力をかける必要もないでしょう?
これは理想論だと言われ、鼻で笑われる時もあります。でも、実際にそれを実現させている企業もあるわけです。なぜその会社がやっていて、ウチの会社がやれないのか?
そう考えれば、それを実現すべきなんじゃないでしょうか?
その答えの1つが、電車の運転士さんのように、普段から小さなことや粋な心づかいを地域や子供に向けて発信していくことなんじゃないか?と。
それが数年後、数十年後に大きな結果をもたらしてくれると思うのではないか?と。
そう私は思うわけですが、、あなたはどう思いますか?
急は難しいということ
私が若手人材の確保や育成に関わって早6年が経過しました。そこで強く感じたこと。
それは一朝一夜で人材を確保すること自体、とても難しくナンセンスだということです。有能な人材であれば尚更です。
人が急に足らなくなった。だから慌てて採用しようとする。だから人材獲得競争に巻き込まれ、人材育成に苦労する。
短期的な目線も重要ですが、将来的に優秀な人材を低コスト確保し続けたいのなら、長期目線も重要です。
中小零細企業は大企業とは違い、名前や資金力でモノを言わせて大量の人材を確保する必要はありません。たった数名、優秀になり得る人材を確保し、会社の戦力となってくれれば将来が安定していくわけです。
そのために今日からできることはないか、考えてませんか?そして1つずつ実行してみませんか?
たった1人、嬉しい気持ちにさせる…まずはそこからでいいんじゃないでしょうか?