いやぁ、ホント、毎年求人倍率が上がって、、イヤになっちゃいますよねぇ?
今年(2018年)の高卒求人倍率は3倍近くに跳ね上がっています。
一体どうすればいいのでしょうか…?
人材採用における大企業と中小零細企業の違い
いきなりですが、人材採用における(特に新卒採用において)、
「大企業の考え方」と「中小零細企業の考え方」のたった1つの違い、おわかりでしょうか?
これはとても大きな違いでもあり、大企業が優秀な人材を確保していて、中小零細企業が人材を確保できていない、おそらく1番の原因にもなっていると思うのですが…。
それは、、、
- 人を育てるために採用するのか?
- 人材を補充するためだけに採用するのか?
の違いです。
これが全てとは言えませんが、少なくとも大企業は新卒採用を毎年行い、若き人材を確保していますよね?それは、会社の将来を担う人材を採用し育成していく「長期的な視点」だからです。
しかし、我々、中小零細企業は違います。「短期的な視点」です。仕事が増えたから人が足りなくなった。人が足りなくなったから補充したい。大半はそういった考え方です。
なので、人材獲得競争のスタート時点からもう差がついてしまっているわけです。
人材採用に即効性を求めてはいけない
ジャスインタイムという言葉がありますがご存知でしょうか?
製造業に携わっている方ならご存知の方もおられると思いますが、「必要な時に必要な分だけを作る」ってやつです。あのトヨタ自動車の生産方式ですね。
これこそが「在庫を最小限にし、コストを下げ、効率を上げるやり方」だと言われています。
しかし、これを人材採用に当てはめてはいけません。
中小企業は多くの人材を抱えることはできません。人件費がかかるからです。なので「人材が足りなくなったら求人を出して補充する」というやり方が根付いていました。
しかしこのやり方はもう通用しません。求人を出しても応募すら来なくなってきているからです。
だから、慌てます。慌てて採用しようとするために、広告費をかけたり、待遇を上げたりと、多くのコストをかけます。しかし、人はやって来ないし、やってきたとしてもすぐに辞めてしまう。散々な結果に終わってしまうわけです。
ではどうすれば??という問題になりますが、やるべきことは沢山あります。
しかし、「やるべきことさえもやらない」というのが現実ではないでしょうか?
「面倒くさい」か、「やり方がわからない」のどちらかです。
それらを一蹴するには…
自ら行動すること。
こうやってブログでいろいろと発信していますと、とりあえず即効性を求め、結果だけを求めて相談をしてくる会社があります。そういった会社は、ご相談を受けてもお断りしています。
なぜなら、求人票に月給100万円と記入して掲載すればいいだけの話しだからです。そうすれば即効で応募は集まってくるでしょう。
しかし、そんなことはできないはずですよね?
もし、待遇を手厚くせずに人材を採用したいのなら、他の「入社する動機」が必要になります。
今まで通用していたテクニックだけで人材を確保できる時代ではなくなりました。待遇を上げたからと言って採用できる時代でもなくなってきています。
ハローワークに頼る、求人広告に頼る、そしていつかは応募が来るだろう…。そんな淡い期待を抱いてもまず無駄に終わります。
多くの経営者は誰かに頼り過ぎです。忙しいのはわかりますし、やり方がわからない、頼る先がわからないのもわかります。
しかし、あまりにも動かなすぎです。それはまるで、営業活動を一切せずに「いつか仕事が舞い込んできたらいいなぁ…」と言っているようなものです。
私が何かアドバイスを求められた時、とりあえず自ら動いてもらうことをお願いしています。行動することで見えてくるものがあるから…です。行動がなければ結果もない。投入がなければ産出がないのと同じです。
私はそう思います。
ザコ求人はもう要らない。
そして、経営者の方に行動してもらうにはもう1つ理由があります。現況を把握して欲しいからです。
未だ、「採用する」ということに真剣になっていない企業が多く見受けられます。求人倍率はうなぎ登り状態なのにも関わらず…です。
たとえば、学校訪問です。「行く時間がない」「行ける人間がいない」など、言い訳ばかりをして行動をされない会社ですね。
真剣になっていない会社は(特に中小零細企業に多いように思えるのですが)、求人票を提出したり郵送するだけで「問合せが来ないなぁ…」とか、「今年も採用できなかったなぁ」で終わると何も得ることはできませんし、毎年同じことの繰り返しになるでしょう。
しかし、実際に学校訪問をして空気を感じてみたり、先生方とお話しをして現状を知ることができれば、今の、あなたの会社が置かれている状況を体感できると思います。
特にそれを経営者の方に、直接肌で感じて欲しいのです。
なぜなら、会社の従業員などに学校訪問に行ってもらって、「どんな状況だったか?」を”人づて”に聞いてもリアリティさを感じとることはできないからです。
たとえば私の経験で言いますと、
- アポイントを取って訪問しているのに誰も対応してくれないとか、
- 隣の席に座っている会社は、お茶まで出してもらって面談しているのに、ウチの会社はお茶すら出ないし面倒臭そうな対応をされるとか、
- 「事務職の求人を出されるのかと思いました」と言われたり、、(事務職以外の求人は要りませんよ~っていう京都流のイヤミですね。)
- コミュニケーションを図ろうと思っても「明らかに話しを聞いていないな…」という対応をされたりとか、
いかに自分の会社の求人が「ザコ求人」なのか、間接的に思い知らされることになります。
私は別に学校の対応に不満を漏らしているわけではありません。相手の対応に憤りを感じるかもしれませんが、ココで怒ってしまってはダメで、感情的になってはいけないのです。
なぜなら、これこそが、あなたの会社が周りに置かれている現実だからです。
たとえば、いくら訪問企業が増え続け、進路指導の先生方が疲弊しているとは言え、たとえば名だたる大企業が訪問すると言ったらどうでしょうか…?
絶対にそんな対応はしないはずですよね?
そういった現状を肌で感じることで、人材確保の難易度が身に染みてわかり、根本的な「対策」をしていく必要性を感じるわけです。
そういったことを肌で感じることができれば、「忙しい」とか、「誰かに行かせたらいい」とか、と言ってられない状況がおわかり頂けると思いますし、「3人採用して1人残ったらいいや」という時代錯誤な考え方とか、求人に対するアプローチの考え方も変わるでしょう。
今は有り余るほどの求人があります。そんな中で、「ザコ求人はもう要りません!」そう思われないようにしなければなりませんね。
警告!
人材を確保する採用活動は、今や大きな経営課題になっています。売上をあげることに専念するくらい、人材採用や人材育成にも専念しなければなりません。人材が売上に直結する業種なら尚更です。
まずは行動に起こして現状を知るべきです。そうすれば改善すべき点がたくさん見えてきます。
じゃないと本当に、「廃業」という文字が、あなたの背中をトントンと叩きに来る日が近いかもしれません。
人手不足という状況は今後もしばらく続くでしょう。とりわけ若手人材においては慢性的になります。
その中で、あなたの会社はどうやって人材を確保していきますか?