「反対!」「反対!」「反対!!」
車で移動していると、こういった看板や旗を見かけたこと、ありませんか?
「葬儀場建設、反対!」「ラブホテル建設、反対!」
以前、隣町の住宅街で「〇〇会館建設、断固反対!」と赤い旗をそこら中に立てているのを見ました。
町内会あげての取り組みなのでしょうか。とても異様な雰囲気でした。
反対の原因
一体なぜ、近隣住民はこぞってそんな反対運動をしているのか?
そう考えたことがあります。
「街の雰囲気が悪くなる」、「近隣の地価相場が下がる」、それだけでしょうか?
私も不動産開発をやっていたことがありましたので、住民からの反対を受けたことが多々あります。
しかし、実はそれらが原因でないケースが大きなウェイトを占める場合が多いのです。
それは、、、
設計会社、建設会社から、
「軽くあしらわれた」「相手にされなかった」「ないがしろにされた」「バカにされた」
という気持ちが、反対運動の大きな引き金となってしまうケースが大きいのです。
もちろん「街の雰囲気が変わってしまう」、「治安が悪くなる」ということが原因で反対している場合もあるのですが、
住民感情を逆なですることで建築計画の足を引っ張られることが多いのです。
先日、
「世界遺産である「奈良公園」の一部の林に「ホテル」を誘致しようという計画に対し、地元の住民は奈良県に説明を求めているが「具体的な説明が一切ない」と不信感を抱いている」
というニュースが出ていました。
これもホテルの建設自体に反対するよりも、「住民をバカにしているのか」という気持ちが、
「ホテルの建設反対!」という反抗心へ向かわせてしまう1つの良い例だと思います。
また、私自身が今現実に目の当りにしているのですが、
朝、車を動かそうとしたら、自宅の前の道が工事車両で塞がっていて車を出せなかったのです。
何の前触れもない。挨拶もない。ただひと言「言ってくれたら車どかしますやんか。」
そういった横着が人の感情を逆なでし、トラブルの原因となります。
いかに気持ちを知るか
人間には「感情」というものがあります。
自分では「どうもない」と思ったことが、相手にとっては「重要だ」ということが結構あります。
それはなかなか表には出ず、見過ごしがちになります。それを見過ごしておくとお互いの溝が深まっていきます。
人間、基本的には「自分、自分、自分」です。
相手の気持ちより先に「なんで私のことを理解してくれないの??」です。
従業員は経営者の気持ちなんぞ知る由もありません。
経営者も従業員の感情を把握することはなかなかできません。
仕事でも、安易に見過ごしたことで、後々大きなトラブルになることもあります。
人はポジティブな感情より、ネガティブな感情を記憶しています。
いわゆる「根に持つ」というのは人間の本能的なものと言ってもいいでしょう。
人を動かすには、人の気持ちを十分理解しておく必要があります。
人を動かすのが上手な人は、相手の気持ちを汲み取るのが上手です。
「人たらし」とまでは言いませんが、相手の気持ちを知っておくことで、人を動かすことがラクになります。
と言ってもそれがイチバン難しいのですが…。