避けては通れないこと
若手従業員を多く抱えていると、良いことばかりでなく、さまざまな問題が出てきます。
先日、入社して2年ほどの20歳になったばかりの従業員が、仕事であってはならない重大なトラブル引き起こしました。
不幸中の幸い。本人も、得意先も、大事には至らなかったのですが、新入社員が仕事に慣れ、気が緩んでくるとそういうことが起きるんですよね。
毎年、必ずと言っていいほど若手が引き起こすマイナートラブルに見舞われます。
そして今回は数年に1度のビッグトラブル。
元請業者は怒り心頭。現場担当者もピリピリ。責任の所在を追及されます。
トラブルを引き起こしてしまった従業員は、コトの重大に怯え放心状態。
そんな中、緊急会議が開かれました。
経営者の舵取りひとつで…
中には本人を責める従業員もいる中、社長の言葉はこうでした。
「これは責任を追及する会議ではない。ひょっとしたら死んでたかもしれないのに大事に至らなくてホンマ良かった。ウチは技術力を武器にここまでやってきた。技術を磨くには失敗は必要。いくら耳で聞いていても実際やってみんとわからん。お前らもそうやってここまで来たんやろ?若いヤツらはこれからいろんな失敗を間違いなくしていく。それをフォローするのが先輩らの仕事。しかし同じ失敗だけは絶対に2度とするなよ。」
私はそれを聞いて社長の懐の深さを知りました。
ひょっとしたら今回の件で、その元請さんとは取引が減ったり、取引ができなくなるかもしれないのに…です。
なぜ問題に集中してはいけないのか?
「大きな成果を出す人は、問題点に集中しているのではなく、機会に集中している」
「幸福とは、最終的に欲しい結果を得るためには、今すぐ欲しい結果を犠牲することによって得る果実にほかならない。」
これはスティーブン・R・コビー氏の名言ですが、
若手を採用すると一旦は技術力や品質が低下します。トラブルも増えます。
品質も低下しトラブルが増えれば、得意先からも警戒され、仕事量が減るかもしれません。
しかしそれに恐れることなく前向きに進んでいくことで、将来的に大きな果実を受け取れる。
今の若者が育っていくことは、将来的に会社の大きな資産となります。
会社の存続が危ぶまれるような失敗は避けなければなりませんし、失敗しないように細かいところまで指導することも大切です。
しかし、どうしても失敗はついて回るもの。
その失敗をどう捉えるかで今後も変わってくるのですよね。
組織が強くなる視点
最近の若者は褒めて伸びるタイプが多いですが、結局は失敗して学んで成長していきます。
そこで凹んでしまい、若者が辞めないフォローが大切です。今回は立ち直りも早かったような気がします。
経営は山あり谷あり。次々とさまざまな問題が生じ、さまざまな試練を乗り越えてこそ会社は強くたくましくなっていくんですね。
問題とは、
「避けるものではなく、会社が成長していくための通過点」
もちろん、意味のない問題は避けるべきであり、芽を摘む必要はあります。
しかし会社が成長するための問題は自ら立ち向かっていくべき。
そういう視点を持つ社長を改めて尊敬した次第です。
それにしても、、現場の雰囲気はちょっと異様ですよね。カッターナイフで指を切ったくらいでオオゴトになる。誰が悪いとかそういう問題ではないと思いますが、、だから逆に災害隠しが出てくるんでしょうね。
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