私が人材の獲得のミッションに携わってからというもの、求人広告というものはほとんど出していません。
なぜか?というと、理由はいくつもありますが、「求人広告を出さなくても人材を獲得できている」というのが大きな理由です。また「効果が薄い」ということもあるのですが、これは「やり方次第」で反応率を上げることができます。
広告会社の陰謀
これまで(私が人事の担当になるまで)は月に数十万円かけて求人広告を掲載していたので、広告代理店からすれば私は目の敵です。なんせ広告費という名の「安定収入」が途絶えたのですから…。たまに営業マンが油を売りに会社に来ますが、もちろん私とは目も合わさずスルーしていきます。別にいいのですが…。
一時期、面接希望の反応が全くない時期があったのですが、広告会社の営業担当がオーナーと勝手に打ち合わせをして求人広告を掲載したことがあります。もちろん反応は「ゼロ」でした(反応があるよという既成事実を作るためにサクラを使ってはきたましたが)。
広告会社というものは、広告を出すだけの会社であり、反応があるかないかは全く関係ありません。反応があれば広告会社の手柄にし、反応がなければ世間のせいにするのです。
それよりも「いかに取引先から安定的に広告収入を得られるか?」がポイントです。どうやって「生かさず殺さず」にするかが重要なのです。なので広告会社に主導権を握らせてはいけないのです。これは以前に何回もお話しをさせていただきました。
「建設業 求人」クリック!で上位表示を
昨今の人材獲得争奪戦の最中、先日オーナーが「Google検索したらウチの会社がトップに出てくるようにしよう!」と言い出しました。よくよく聞いてみると、どうやら広告代理店の営業担当がオーナーに「会社のホームページの検索順位を上げればインターネットからの応募が増えますよ!」と吹き込んでいたのです。
ようは求職者が「建設会社 求人 ○○(地域)」などとキーワードを検索した際に、「検索順位が1ページ目の上位に表示されるようにしましょう!」「検索をした人の8割が1ページ目か2ページ目しか見ないんです」そうすれば「ホームページを見てくれる確率も高まるし応募してくれる確率も高まる」という営業をかけらていたのです。しかもバカ高い見積もりを持って…。
業界用語では「SEO対策」と言うのですが、私はこれを聞いて一蹴しました。知らないことを言いことに「あの手この手」を使って財布からお金を引っ張り出そうとするわけです。
そういった営業をかけられた方、実際に依頼された方はいらっしゃいますでしょうか?依頼された方、反応はありましたか?反応が無ければ今すぐやめましょう!なぜなら意味がないからです。そしてまたしてもお金をドブに捨てるハメになります。
何人が検索してる?
「なぜ意味がないの?」と言いますと、そもそも「建設会社 求人」というフレーズで検索している人がほとんどないからです。そして、そもそも求職者が「どういったキーワードで検索しているか」を特定するのが難しいからです。
どういったキーワードで検索されているかを調べる方法はあるのですが、たとえば私の地域で「建設業 求人」というフレーズで検索した件数は何件だと思います?
「月に20件」です。月にたった20件ですよ!?それなのにGoogleで検索したら、ページのあちらこちらにやたらと「高収入!建設業求人」などの広告が出てくるわけです。これでは費用対効果以前の話しになってしまいます。
私が採用活動を行ってきた中で「ホームページを見て応募しました」という人は5人に1人くらいでした。これは属性(年齢層など)にもよりますが、私の周囲では意外とホームページを見ていなかったということになります。
インターネットは万能薬ではない
インターネットはとても便利です。しかしこれは見る側に対してだけかもしれません。見られる側にとったら「見てもらえるかどうかもわからない」という状態でホームページなりを作成しているのです。何かを検索をすれば何十万件とヒットされるのです。これが「情報の海」と言われる由縁です。そして専門用語が多くとっつきにくい部分もあります。そのとっつきにくい部分、無知を利用して、多くの広告代理店、ウェブ制作会社が、費用対効果が全く無い、中身の無い提案営業をしてきます。しかもバカ高い見積もりを持って…。
SEO対策をしたからと言って、ホームページのデザインが優れているからと言って何か目に見える効果があったでしょうか?もし効果が無いのなら1度見直す必要がありそうです。そんなに簡単に反応が取れる時代じゃないという事です。
何かに投資するということは、その見返りがなければなりません。「格好いいホームページができた!」「検索で上表示されている!」と言って自己満足にならないよう再確認してみてください。