私は元請会社として工事受注の営業をした経験があるのですが、
今は下請会社ですので、今回は下請け業者さんの気持ちになってお話しします。
先日、ゼネコンさんの会合に出席してきました。
毎回のごとく、
現在の工事の仕掛かり、そして近い将来の受注予定を鑑みると、圧倒的に
人手が足りない!
ということです。
特に中部圏は、大型案件が多発し、人手不足が顕著で、中部圏への応援要請が来ているとのことなのですが、
ここ関西地区でも、下請け業者さんの仕事も手いっぱいの状況で、横のつながりでなんとか今の仕事をこなしているのが現状です。
無論、単価の低い工事には見向きもしなくなり、元請もそれに頭を抱えています。
今でも「この金額でやってくれへんやろか?」と指値してくるわけですが、正直、下請け業者は失笑しています。
しかしそれで良いのではないでしょうか?
いくら人を確保しようとしても
「いないものはいない」のです。
今まで不景気のあおりで、受注するために値引き合戦を繰り返した挙句、末端の建設労働者にしわ寄せがいき、建設業界から去っていく人間がどれだけいたのか…。
私が元請で営業をしていた時は建設業の大不況と言われる時期でしたので、
工事を受注すれば、下請けさんには
「業者なんかナンボでもおるんやで!」
という言葉を発している監督さんもおられました。
元請は元請の都合があり、施主は施主の都合があるのですが、それを今になって人が足りないからなんとかしてくれ!と言われても無理があるのです。
そしてひとたび仕事が減れば、また下請け、孫請けにしわ寄せが来るのです。
現在は、どちらかと言えば下請け業者さんの発言が通りやすい環境です。
十分な利益の確保に加え、建設労働環境の改善も大いに訴えていくべきです。
たとえば、施主や元請の都合で工期に追われ、過酷な労働環境が散見されます。
建設労働者の高齢化、労働単価が良くても寄り付こうとしない若者がいます。
現状維持では将来どうなるか目に見えるわけです。
目先の仕事、目の前の利益も大切なのですが、長期的な視点を持てば、労働環境改善の訴えもおこなっていくべきでしょう。