現在、近い将来「管理者」となる従業員の中間層が育たず困っているという会社を目の当たりにしています。
それは中堅社員の「自発性」がなく、
「言われたことしかやらない」
という現象に陥っているのです。
これには各々のモチベーションなどの要因も挙げられますが、管理者(部長、教育者)の人材教育のやり方を見ていると原因がなんとなくわかってきました。
「言われたことしかやらない」のではく「言われたことしかできない」のです。
例えて言いますが、「2」という答えを出すのに
「いいか!1と1を足せ!そしたら2になる。それ以外余計なことはするなよ!」
「1だぞ!1!わかってるな!?」
と教育していたのです。
答えを出す為に1つのプロセスをマニュアル化し、社員全員に同じプロセスを指導するというやり方は、「足並みを揃える」ことにつながり、調和を重んじる日本人に馴染んできました。
そしてマニュアル化は仕事の失敗を防ぐためには重要な事でもあります。人がした同じ失敗を、繰り返し他の人間がしなくてもいいようになるからです。
しかし、管理者は仕事の失敗を恐れるあまりマニュアル化を徹底し、マニュアルに工夫をしようとする余計な社員を強制し、「言われたことだけする」マニュアル人間を造り出してしまいました。
よってじわじわと「言われたことしかできない」人材になってしまっていたのです。
また、部下を統制しているという「征服感」も彼にはあったのかもしれません。
「言われたことしかできない」仕事は、極端な話し、
「プログラミングされた機械にでもできる」ことですし、将来的にそうなっていくでしょう。
今後に求められているものは
マニュアルや知識を忠実に実行・再現する「再現力」ではなく
知識と知識を組み合わせ化学反応させる「創造力」なのです。
脳は人間の最大の武器なのですから。