製造業の取締役をしている友人がいるのですが、彼も人材獲得・育成には頭を悩ませているようで、先日こんな発言を私にしてきました。
「若い人間雇うのはもうやめるわ。育たないし、すぐ辞めてしまうし…」
「しかし何でやろな?」 と。
同じような悩みを抱えている経営者や管理者は少なくありません。
私はまだまだ人にアドバイスする立場ではありませんが、彼にこう言いました。
「育たない」のではなく「育てていない」、
「辞めてしまう」のではなく「辞めさせてしまっている」のではないかと。
「最近の若者って何考えているかわからんし、とっつきにくいなぁ。扱い方も難しいし、とりあえず仕事させとけ」と思ったことありませんか?
例えが悪いかもしれませんが、それは
「最近スマホ・スマホ言ってるけど、スマホってなんかとっつきにくいなぁ。とりあえずスマホにしてみたけど使い方わからんし通話以外したことない!」
と言っているようなものです。
若者が「すぐ辞めてしまう」原因もちゃんと考えていますか?
防水機能のないスマホをお風呂場で使っていたらどうなりますか?
必ず壊れますよね?
「壊れた(辞めた)」のではなく「壊した(辞めさせた)」という真実から目をそらし、スマホ(人)のせいにして、
「壊れた(辞めた)!!何でや!」と言っているようなものなのです。
取扱説明書をちゃんと読んで使えばスマホはそうそう壊れるものでもありませんし、いろんな使い方をしていれば、
「こういう使い方があったのか!」
というスマホの利便性や、
「これはますます普及していくぞ!」
など、将来的なデバイスの可能性が見えてくるように、
人が集まる組織という枠組みの中で、若者の気持ちや価値観を読み取り、仕事をさせてあげれば離職率も最小限に抑えられます。
また、さまざまな仕事に挑戦してもらい、さまざまな角度から評価することにより、若者の可能性や将来性を見出せるようになりますし、見い出せなければいけないのです。
以前、管理者・教育者の最大の使命は
「人材を組織に服従させるのではなく、お金を生む人財に育て上げること」
と言いました。(その記事についてはこちら)
「若者の取扱説明書」
も読まず、自分の基準だけで
「ダメだ使えない」
とすぐ諦めてしまうのは、いささか教育者として疑問が残りますし、将来的な会社の損失となるでしょう。