準備等でバタバタしていた先日の講演会では100名を超える方にご参加いただき、また多くの方に「参考になった!」と言っていただき、誠にありがとうございます。
さて今回は、「求人票の書き方や、求人広告や会社案内・パンフレットで、どんなことを伝えていけばいいのかわからない」というご相談がありましたので、少し言及してみたいと思います。
ありきたりのフレーズは響かない
「未経験者OK」「安定した会社です」「頑張りは評価します」etc…求人票を見ていると、どの会社でも同じようなフレーズが並んでいます。
これらフレーズは、仕事を探す側の立場からすれば、聞き慣れ、見慣れててしまっています。聞きなれ見慣れてしまっているものは、空気と一緒で、自覚することができません。
普段の生活の中で空気を感じることありますでしょうか?地に足をつけている感覚を常に感じて歩いていますでしょうか?
ありきたりのフレーズもそれと同じで、どの会社でも言える見慣れたフレーズは空気のように顕在意識として認識されないのです。
1人に向けて語る
では、どうすればいいのか?ということですが、まずはありきたりのフレーズや抽象的なフレーズを控え、ある1人の人に向けてメッセージを発信していくということです。
会社案内などのパンフレットを見ていると、当り障りのないメッセージがよく使われているのを目にします。
それは、多くの層を取り込み、多くの人に伝わるように作られていることが多いのですが、これは逆効果です。
「1人の心に響かないメッセージは誰にも響かない」という言葉があります。
これは政治家が良い例なのですが、多くの人に伝えているように見せかけて、実は1人の人に向けて演説しているんだそうです(政治家全員ではありませんが…)。
つまり、演説で1人の聴衆の心を動かすことができなければ、その他の人の心を動かすことができない。多くの人に伝えようとすればするほど、メッセージがボヤけて相手に心に響かないなんだそうです。
逆に、ある1人の人に向けてメッセージを発信すれば、その1人に似たような性格の人たちも取り込むことができてくるんだそうです。
厚み深みのあるメッセージを作る方法
よくあるフレーズというものは、相手の心に響かないだけでなく、他の会社との差別化になりません。
たとえば「安定した会社」と言うだけではどの会社でも言えるフレーズです。そしてどの会社も言っていることは真実味に欠け信用度も上がりません。
なぜ、当社は安定しているのか?なぜ、安定していると言い切れるのか?何がどう安定しているのか?そもそも安定の定義とは?そういった背景を探ることで、より深みのあるメッセージを生み出すことができます。
あなたにしか言えないメッセージを見つけるには?
相手に伝えるメッセージのテクニックはたくさんありるのですが、ココで、あなたにしか言えないメッセージを届ける簡単で効果のある方法を1つご紹介します。
それは、あなたが誰かを説得する時に話す内容をそのまま録音して、メッセージに書き起こすことです。その方が、感情がこもっていますし、ありきたりの無機質なフレーズより相手に響きます。
言葉は人と人を繋ぐコミュニケーションツールです。何をどう伝えるかで、相手の反応は大きく変化します。
近年は写真を主体としたコミュニケーションツールが流行していますが、やはり最終的に人を動かすのはメッセージです。
相手の心に突き刺さるメッセージを発信するにはどうすればいいのか?もっと奥行きのあるメッセージを届けるにはどうすればいいのか?
是非、追求してみてください。