チラシを配っても反応がない?
その原因は人間の行動心理プロセスに従っていない可能性があります。
そんな時は「AIDAの法則」を意識してみてください。
AIDAの法則とは?
「AIDAの法則」応用心理学の分野で米国のE・K・ストロング(1920年代)が論文で発表した、顧客心理の段階を表した法則と言われています。
- 「A」・・・Attention(注意)
- 「I」・・・Interest(興味・関心)
- 「D」・・・Desire(欲求)
- 「A」・・・Action(行動)
消費者はいきなり製品やサービスを購入することはありません。製品やサービスの存在を認識し、興味や関心を持ち、買いたいという欲求が生まれ、購買行動に移す。この流れを踏みます。その行動プロセスを体系化したものが「AIDAの法則」です。
AIDAの法則を使いこなす方法
たとえばチラシで「AIDAの法則」を応用するなら、以下のような構成になります。
このような行動心理に沿ったアプローチを駆使することで、反応率の高いチラシを作ることができます。
多くの人が使い方を誤る「AIDAの法則」事例
ですが、ここで注意しなければいけないポイントがあります。それは「ターゲットを誰にするのかによって細かいアプローチを変えなければいけない」ということです。
たとえば下記の表は、ターゲットが解決策をある程度把握(どんな製品やサービスを購入すれば解決できるか把握)しており、製品をサービスを探している、または選んでいる状態のときのアプローチの一例です。
ダイエットを例に挙げれば、ターゲットはダイエットしたいと積極的に考えている。しかし、どのダイエット方法が良いのか?サプリメントが良いのか?運動が良いのか?それとももっと他の方法はないのか?という状況です。
そのようなターゲットの場合は「ダイエットをするなら⚫︎⚫︎!」「利用者満足度94%⚫︎⚫︎ダイエットが選ばれている理由」「たった2週間で7キロマイナス!?そのダイエット術とは?」とアプローチしていくのが一般的でしょう。
一方で、ダイエットをしたいが、そこまで緊急で積極的でなない人をターゲットにする場合は、製品やサービスを認知してもらうアクションをしても響きません。そんな時は「いかに今、ダイエットしなければいけないのか?」をターゲットに気づかせるアプローチが必要になってきます(下記図参照)。
たとえば「今なら間に合う!夏までに美ボディを手に入れ注目を得る方法」「ご存知ですか?BMI 25を超えると糖尿病のリスクが2倍になることを」などと、注意を引いてから、販売に繋げていく必要があります。
ダイエットすることすら感じていない人をターゲットにする場合はどうでしょうか?その場合は「今の状態が問題であること」を認識させなければなりません。
「最近、彼氏が最近冷たい?ひょっとしたらあなたの体重増加が原因かも…」「あなたは今、⚫︎⚫︎な症状出ていませんか?」などと注意を引く必要があるでしょう。
つまり、ターゲットの意識レベルによって「AIDAの法則」の使い方を変えていく必要があるのです。
AIDAの法則で一番重要な部分とは?
「AIDAの法則」のパーツはすべて重要です。ですが、もし1つだけ重要な部分を挙げるとしたら、それは「A」Attention(注意)でしょう。なぜなら、ターゲットに注意を引かなければ、そもそも購買に繋がっていかないからです。
ですからターゲットの注意を引くためのキャッチコピーはめちゃくちゃ重要です。興味や欲求を喚起させる方法や、クロージング術よりも、キャッチコピーだけに特化した本や教材が数多く売られているのは、それだけ重要な証拠です。
とは言え、他のパーツもないがしろにしてはいけません。いくらターゲットの注意を引けたからと言って、ゴールにたどり着いてもらわなければ意味がないからです。ですから「A」Attention(注意)に注力しつつ、ターゲットが自然とゴールに向かって行けるよう、整合性のある流れを作っていくことが重要です。
AIDAの法則でチラシの反応率を高める5STEP
STEP1:ターゲット設定
まずはじめに、ターゲットを設定しましょう。
- ターゲットは誰なのか?
- 年齢、性別、居住地、家族構成、職業、収入などの属性は?
- ターゲットはどんな問題を抱えているのか?
- その問題の深さ・レベルはどのくらいなのか?
- どんな願望や未来を抱いているのか?
- ターゲットに何を売りたいのか?
- ターゲットが購入するトリガーは何なのか?etc..
これらを設定し、ターゲットを明確にします。ペルソナ設定までできたら理想です。
STEP2:ゴール設定
次にゴールを設定です。チラシなどの広告を通じて、
- 注文してほしいのか?
- 来店してほしいのか?
- 資料請求してほしいのか?
- それともメールアドレスやLINEに登録してほしいのか?等々
ターゲットのゴール設定をおこないます。
STEP3:トリガー設定
3つステップ目は、どうすればゴールに到達してくれるかオファーを考えます。ターゲットがあなたの存在を知らない場合、相手はすんなりと連絡をしてくれません。なぜなら相手はあなたのことを信用・信頼していないどころか、不信・不審にすら感じているからです。
その抵抗壁を越えるくらいのオファーがなければ、なかなか一歩を踏み出してくれないでしょう。どんな引き金を仕掛ければ、ターゲットが思わず連絡をしたくなるでしょうか?物質的な面からトリガーを発動させるのか?それとも心理的トリガーを発動させるのか?さまざまな手段を検討しましょう。
STEP4:説得
4ステップ目では、本文を考えましょう。
- ターゲットに何を伝えたいのか?
- 何を伝えるべきなのか?
- どんな意識の変革をもたらしたいのか?
- どんな感情を抱いてほしいのか?
- なぜ、あなたの主張を受け入れるべきなのか?
- なぜ、それがターゲットにとって必要なのか?
- ライバルとの違いは何か?
- あなたの主張を受け入れたら、ターゲットはどんなメリットがあるのか?etc…
本文はターゲットの意識を変え、感情を変える「説得」にあたる部分です。説得に失敗すると、次の行動へと進んでくれなくなります。
STEP5:キャッチコピー
最後にキャッチコピーを考えます。キャッチコピーの役割は「ターゲットの注意を引き、本文を読んでもらう」ための重要なパートです。プロのセールスライターは、1つの広告で50個以上のキャッチコピーを考えると言います。50個は言わないまでも、最低10個以上は考えたいものです。
またターゲットの意識レベルによってもキャッチコピーの表現方法は変わります。ですから最初にターゲット設定が重要なのはそのためなのです。
キャッチコピーが学べる参考書籍一覧はコチラ(←外部サイトに飛びます)
これら、準備が整ったら、チラシに反映させ、デザイン・レイアウトを整えて完成です。
最後に
いかがでしたか?反応を上げるチラシを制作するのは、顧客の行動心理を理解する必要があります。これらの法則は「AIDA」だけだなく「AIDMA」や「AISAS」「AISCEAS」など様々な法則があります。
ですが、これらは「AIDA」から派生したもの。最初は「AIDA」を極めるべきです。「AIDA」を極めることができなければ、他の法則も極めることができないからです。
「AIDA」は「守・破・離」の「守」のようなもの。まずは「AIDAの法則」を極めていきましょう。