「お得意様を大切にしましょう」
これは、ビジネスの
鉄則のように語られます。
しかし、それだけで本当に
売上は伸びるのでしょうか?
実は、
売上を大きく伸ばしたいなら、
ロイヤル顧客(常連)ではなく、
“ライトユーザー”に
目を向けるべきなのです。

こんにちは、藤村です。
ちなみに
ライトユーザー(light user)とは、
商品やサービス、
あるいはブランドに対して、
関心が浅い/接点が少ない人のことを指します。
もっと平たく言えば、
「なんとなく知ってる」
「たまに使う」
「たまに買う」程度の人たちです。
ロイヤル顧客 | リピートしてくれる・応援してくれる・口コミもしてくれる |
ライトユーザー | 認知はあるが、行動は浅い・思い入れが少ない |
「ロイヤル顧客中心主義」の限界
多くの小規模ビジネスでは、
目の前の常連客を大切にするあまり、
新しいお客様へのアプローチが後回しになります。
- 常連の声はよく届く
- よく褒めてくれる
- カスタマイズの要望にも応えたくなる
ですが、
それに最適化すればするほど、
初心者には“わかりづらい”
“入りにくい”商品やサービスが
出来上がってしまいます。
例えるなら、
テレビのリモコンにボタンが
40個あるようなもの。
玄人には嬉しくても、
初めての人は戸惑います。
ロイヤル顧客は“育てる”もの
データでも明らかになっているのは、
ロイヤル顧客は、
最初からロイヤルだったわけではない。
という事実です。
彼らも、最初は
“ライトユーザー”として
商品やサービスに出会い、
体験を重ねることで
ファンになっていったのです。
つまり、
ロイヤル顧客を増やすには、
ライトユーザーを
増やし続けるしかないのです。
ライトユーザーこそ、売上の源泉
例えば、
あなたのロイヤル顧客が
1000人いるとしましょう。
そこに最適化した商品を作っても、
1000人が1万人になるわけではありません。
その下に、
9万人のライトユーザーがいて、
そこからロイヤルが育っていく構造になっているのです。
つまり、事業を大きくするには…
「ライトユーザーに鬼ほど売れ」
これが唯一の正解です。
常連の声は、自己満足を生む
ロイヤル顧客は褒めてくれます。
評価してくれます。
「あなたの商品、最高だよ!」と。
その声に浸っていると、
こう思い始めます。
- 「自分は天才だ」
- 「うちのサービスは完璧だ」
でも、そう思った時点で、
外の声が聞こえなくなるのです。
ライトユーザーは
辛辣なフィードバックをくれます。
- 「メールが多すぎる」
- 「値段が高い」
- 「意味が分からない」…
この“痛い声”こそが、
商品やサービスを改善させるヒントです。
広告や価格戦略も“ライト視点”で考える
既存のロイヤル顧客に対する
広告やキャンペーンは簡単です。
関係ができているので、
レビューを載せれば売れるし、
多少値段を上げてもついてきてくれます。
ですが、ライトユーザーにとっては…
- 価格は心理的ハードル
- 商品の内容も信頼性もわからない
- 関連性の薄い広告には反応しない
ここで必要なのは、
「間接アプローチ」。
間接アプローチとは
直接的な表現や行動を避けて、
一歩引いた、遠回しの伝え方、
アプローチのことです。
例えば、
セールス →
「今すぐ買ってください!」ではなく
「これがあれば、あなたの悩みが自然と解決します」と伝える。
恋愛 →
「好きです」と言うのではなく、
「あなたと話すと落ち着くな」と感情の余韻で伝える。
マーケティング →
「買って!」ではなく、
「こんな人が増えています」と事例紹介で気づかせる。
つまり、相手に“自分から動きたくなる余白”を与える技術です。
興味の入口をずらし、
共感から惹きつけて、
少しずつ商品へ導く手法です。
現状維持バイアスの罠
多くの人が陥るのは
「今のままでいい」という幻想です。
でも、ビジネスには
現状維持は存在しません。
成長しないものは、確実に衰退する。
停滞すれば、
社員のモチベーションも下がり、
不満が噴き出し、
商品も劣化し、
やがて組織が腐り始めます。
成長とは、人を幸せにする力
会社の売上が
伸びるということは、
- 社員の給料が上がるということ。
- 立場や役割が増えるということ。
- 人生の選択肢が広がるということ。
ビジネスの成長は、
数字だけでなく、
人の幸せを支える基盤でもあるのです。
まとめ|売上を10倍にしたいなら
- ロイヤル顧客の言葉を聞きすぎない
- 自己満足に陥らない
- “入り口”を広げ、ライトユーザーを増やす
- ライトからロイヤルへ、育成の流れを整える
- 成長を止めない経営が、社会的価値と持続力を生む
おわりに
常連は大切。
でも、それだけでは
未来は切り拓けない。
私たちのビジネスが
今よりもっと人に届くようにするために、
目の前の“知らない誰か”の声に、
そっと耳を傾けてみましょう。