現在、多くの業界で人手不足が深刻化しています。
こんにちは、藤村です。
特に中小企業では、
- 「求人を出しても応募が来ない」
- 「採用してもすぐに辞めてしまう」
このような課題が顕在化しています。
結論から言うと、
従来の求人方法では限界に来ています。
なぜなら、
求人市場や仕事に対する
価値観が昔と比べ、
ゴロッと変わってしまっているからです。
ですから企業は、
「求職者の価値観やライフスタイルに寄り添った新しい採用戦略」を模索する必要があります。
そこで今回は、現状の課題を整理し、成功事例を踏まえながら、中小企業が学ぶべきポイントを考察します。
現在の採用市場における課題
中小企業の人材不足の要因
中小企業が採用に苦戦している理由には、以下のような要因があります。
- 大手企業との競争
- 給与・福利厚生・ブランド力で大手に劣る
- 労働条件のミスマッチ
- 求職者が求める働き方（柔軟な勤務時間、リモートワークなど）に対応できていない
- 若者の価値観の変化
- 「給料のために働く」より「自分のライフスタイルを重視」する傾向
- 認知度の低さ
- そもそも企業の存在が求職者に知られていない
従来の採用手法の限界
多くの企業が「給与アップ」や「求人媒体の掲載増加」といった方法で人材確保を試みています。
ですが、以下のような問題に直面しています。
- コストがかかる
- 求人広告の費用が増加しているが、成果が出ない
- 他社との差別化が難しい
- どの企業も同じような求人内容になり、魅力が伝わりにくい
- 短期離職が増加
- せっかく採用しても、入社後すぐに辞めてしまうケースが多い
このような問題から、普通の採用戦略では人材の確保が難しい状況になっています。
ですが、このような課題をチャンスと捉え、ユニークな採用戦略で人材確保に成功している会社も存在しています。
次項では、その事例を少し紹介していきましょう。
成功事例 – ユニークな採用戦略で人材を確保した企業
筋トレ好きの若者をターゲットにした警備会社
成功施策
- ジム代無料・プロテイン飲み放題：健康志向の高い若者にアピール
- 社内トレーニング設備の導入：休憩時間に筋トレできる環境を整備
- ボディメイク手当の支給：一定の体脂肪率や筋肉量を維持すると手当を付与
結果
「警備の仕事＝体力勝負」という特徴を活かし、筋トレ好きな人材が応募。従来の求人よりも応募率が向上し、定着率も改善。
学び
仕事の特性を活かし、趣味やライフスタイルと結びつけた採用施策を打つ
ゲーマー向けのIT企業 – ゲームが仕事につながる職場環境
成功施策
- 就業時間内のゲームプレイOK：特定の時間帯にゲームをプレイできる
- 最新ゲーミングデバイスの支給：高性能PCやVR機器を提供
- ゲーム開発プロジェクトへの参加機会：希望者は社内でゲーム開発に関われる
結果
ゲーム好きのエンジニア志望者が増加し、採用がスムーズに進むように。SNSでも話題となり、企業のブランディングにも成功。
学び
ターゲット層の価値観に寄り添い、「この会社なら好きなことが活かせる」と思わせる仕組みを作る
旅行好き向けの観光業 – ワーケーションと旅費補助で魅力アップ
成功施策
- ワーケーション制度の導入：好きな観光地で仕事ができる
- 旅費補助制度：一定条件を満たせば移動費や宿泊費を会社が負担
- 勤務地の選択自由：国内外の複数拠点から働く場所を選べる
結果
「旅をしながら働きたい」という層に刺さり、応募が増加。SNSで「こんな働き方ができる会社がある！」と拡散され、認知度が向上。
学び
従来の働き方にとらわれず、求職者の理想とするライフスタイルを提供する
中小企業が取り入れるべき３つの採用戦略
1.「仕事＝目的」ではなく「手段」として考える
現代の求職者は、「安定した収入を得るために働く」というより、「自分の好きなことをしながら生活する手段として働く」という考え方を持つ人が増えています。
中小企業はこの価値観に合わせた採用戦略を取るべきです。
- 仕事と趣味の両立を支援する（例：ジム代支給、ゲーム環境の提供）
- 柔軟な働き方を導入する（例：ワーケーション、リモートワーク）
これらの戦略を取り入れるためには、採用したいターゲット・セグメントは日頃「何に興味を持っているのか？」「何に熱狂しているのか？」を知る必要があります。
2.「働く環境」そのものを魅力的にする
求職者が「この会社で働くこと自体が楽しい」と思える環境を作ることが重要です。
- 社内コミュニティの活性化（例：趣味別の社内サークル）
- オフィス環境の改善（例：カフェのような職場、快適な休憩スペース）
よくありがちな間違いは、「こうすれば楽しいだろう」と決めつけることです。
「楽しい」の定義は、人それぞれで年代によっても変わってきます。価値観を押し付けることは逆に「楽しくない」になりますので、注意しましょう。
3.SNSや口コミを活用したブランディング
従来の求人広告ではなく、SNSでの発信や口コミを通じて「この会社の働き方が面白い！」と広めることで、認知度を上げることが可能です。
- 社員による情報発信を促す（例：SNSで会社の魅力を発信する仕組み）
- ターゲット層に刺さるメッセージを作る（例：「ジム代無料！筋トレしながら働ける」）
中には「インフルエンサー」を起用して、認知度向上を狙う企業も増えてきました。タレントや芸能人、俳優を起用するよりも低コストでかつ、影響力も大きいので、効果的な投資対効果にもなり得ます。
- 採用したいターゲットが常に観ている媒体は何か？
- どんな人なら影響を受けそうか？
これらも考慮する必要があるでしょう。
まとめ – 中小企業の採用戦略の方向性
いかがでしょうか？まとめると以下のようになります。
- 「給与や待遇」ではなく「ライフスタイルの充実」をアピールする
- 仕事を目的ではなく手段として捉え、求職者の価値観に寄り添う
- ユニークな施策を打ち出し、SNSでの認知度を高める
人手不足の時代において、中小企業は「何を提供できるか？」ではなく、「求職者が何を求めているか？」を考えることが重要です。
成功事例を参考に、自社に合った採用戦略を取り入れ、魅力的な職場作りを目指しましょう。
