もしあなたが、不動産の売却を失敗させないために、イメージや印象だけで不動産会社を選ぼうとしているのなら・・・
それ、間違いかもしれません。

こんにちは、藤村不動産研究所です。
今回は、不動産の売却を検討されている方に向けた「信頼できる本当の不動産会社の選び方」について解説します。
- あなたが今、選ぼうとしているその不動産会社、本当に信頼できますか?
- ネットの情報を鵜呑みにしていませんか?
- 広告によって植え付けられたイメージで不動産会社を選ぼうとしていませんか?
はっきり言います。不動産会社(不動産営業マン含む)は基本、あなたの味方ではありません。
その理由は「あなたの味方になれない事情」があるからです。(詳細は別記事で解説しています↓↓)


それを前提として、
- いかに信頼できる不動産会社を見つけるか?
- あなたの味方になり、寄り添って最後まで全力を尽くしてくれる不動産会社の特徴は?
- より好条件で安心して売却できるようサポートしてくれる不動産会社はどこに存在するのか?
これらを見極めることは「不動産の取引を何度もされない一般の方」にとっては、そう簡単ではありません。
しかし、不動産会社を慎重に選ぶことは、あなたの不動産売却を成功させるか否に関わってきます。
ですから、あなたの不動産売却が成功へと導けますよう「業界歴20年、公認不動産コンサルティングマスター・宅建マイスターの藤村」が解説して参りますので、最後までお付き合いください。
不動産を売るならエージェント一択!
結論から言います。
不動産を売却するなら「不動産売却エージェント型の不動産会社」に依頼すべきです。


なぜ、エージェントに依頼すべきか?
不動産売却エージェントとは、不動産を売却したい売主の利益を最優先に考えるパートナーです。
より高く・早く・安全で確実な不動産売却を実現するために、戦略的に活動してくれる「売主専門型」の不動産会社になります。
買主側のサポートはおこなわず、買主側の不動産会社を立てて取引を成立させます。
なぜ、不動産売却エージェントが売主にとって今、必要なのか?
これらを説明していく前に、不動産売買仲介の仕組みについて説明します。
不動産仲介の仕組み
まず、一般の方が不動産の売買をおこなう際、不動産会社を通じて依頼するのが一般的です。
そして、不動産会社は売主と買主の間に入って仲介をおこなうわけですが、その仲介の仕組みには「片手仲介」と「両手仲介」の2つの形態があります。
片手仲介
片手仲介とは、不動産会社が「売主 or 買主のどちらかのみを担当」し、取引をおこなっていく仲介です。


売主からの依頼なら「セラーズエージェント」、買主からの依頼なら「バイヤーズエージェント」として活動します。
双方に不動産会社が付いているため、利益相反が発生しにくく、公正な取引が可能になります。
- 売主の利益を最優先にできる(売主側の場合)
- 市場に広く情報を公開するため、競争原理で高値売却を狙えやすい。
- 囲い込みが発生しないため、より多くの買主に物件を見てもらえやすい。
- 買主側も公平な条件で交渉できる(片手仲介の買主エージェントがいる場合)
- 売主・買主の両方から手数料をもらえないため、不動産会社の収益が少ない。
- 片手仲介を採用している不動産会社はまだ少数派。
片手仲介のメリットは売主側で、デメリット不動産会社側にあります。
「片手仲介」は他にも「共同仲介」「分かれ」「3%仲介」と呼ばれることもあります。
両手仲介
一方で、両手仲介とは、不動産会社が「売主・買主の両方を担当」し、取引をおこなっていく仲介です。


1つの取引で「売主からの仲介手数料」と「買主からの仲介手数料」の両方を受け取れるため、両手仲介を基本としている不動産会社が多く存在しています。
- 売主・買主の両方から手数料を受け取れるため、不動産会社の利益が最大化できる。
- 買主が既に存在している場合、早く成約できる可能性がある。
- 売主の利益が最優先されない(両方の立場を考慮するため、必ずしも高値売却にならない)
- 「囲い込み」のリスクがある(他の不動産会社に物件情報を流さないことで、より高く買う買主の機会を奪われる)
- 売却価格が相場より安くなることがある(早く売るために価格を低めに設定するケースがある)
両手仲介のメリットは不動産会社側にあり、逆にデメリットは売主側のみになります。
「両手仲介」は他にも「単独仲介」や「6%仲介」とも呼ばれ、得に大手不動産会社はこの仲介方式を主に採用しています。
片手仲介と両手仲介の比較表
片手仲介(売却エージェント) | 両手仲介(大手不動産会社) | |
---|---|---|
仲介する範囲 | 売主 or 買主のどちらかのみ担当 | 売主・買主の両方を担当 |
売主の利益 | 売主のために最大限の高値売却を狙う | 売主の利益は優先されない(自社の利益・買主の優先を優先しがち) |
情報公開 | 広く市場に公開し、競争原理を活かす | 自社で買主を探す為、囲い込みのリスクがあり、情報を制限することがある |
交渉スタンス | 売主の代理人として最大限有利な条件を引き出す | 買主の事情も考慮し、価格を下げて早期成約を重視する |
手数料の仕組み | 片方の依頼者(売主 or 買主)からのみ受け取る | 売主・買主の両方から受け取る |
買主の選択肢 | 他社の仲介会社の買主も含め、広く募集できる | 自社の買主に限定されることがある(囲い込み) |
囲い込みとは?
囲い込みとは、不動産会社が「売主からの依頼で預かった物件情報」を他社に公開せず、自社の買主だけに紹介することで、両手仲介を狙う行為です。


- なぜ「囲い込み」が問題なのか?
- 他の不動産会社の買主に情報が届かないため、より高く買う人と出会えない
- 売主は「もっと高く売れたかもしれない」のに、安く売られてしまう可能性がある
- 不動産会社が「自社の利益」を優先し、売主の利益を犠牲にしてしまう
- 「囲い込み」の具体的な例
- 売主がA不動産会社に売却を依頼(A社は物件を市場に出す義務がある)
- B不動産会社が「この物件を紹介したい」とA社に問い合わせ
- A社が「もう買付が入っています」「商談中です」とウソをつく
- 実際には買付は入っていないが、A社は「自社の買主にだけ売りたい」ので、他社を排除
- A社のペースで、儲けになりそうな買主を自社で探す(売却価格は二の次)
- 売主は「もっと高く売れたかもしれないのに、機会を失う」
売主が「できるだけ高く売りたい」と思っていても、不動産会社の囲い込みによって機会を奪われ、知らない間に安く売られてしまうことがあります。
不動産売却エージェントが誕生した理由
不動産売却エージェント(片手仲介専門の不動産売却特化型の仲介会社)が誕生した背景には、大手不動産会社をはじめとする「両手仲介」を目的とした「囲い込み」を優先する風潮に要因があると考えられます。


これらは売主様の利益に何1つならないのは言うまでもありません。
両手仲介の問題点が顕在化
従来の大手不動産会社を含む不動産会社は、売主・買主の両方から仲介手数料を得る「両手仲介」を当たり前のように優先していました。


しかし、これには以下のような問題がありました。
- 売主の利益よりも自社の利益を優先する傾向
- 「早く、確実に売る」ことが優先され、必ずしも高値での売却が目指されない。
- 「囲い込み」による情報の独占・操作
- 他の仲介会社に物件情報を共有せず、自社の買主だけで契約を成立させようとする。
- 市場に公開される機会が減り、結果的に売却価格が下がることも。
- 利益相反のリスク
- 買主と売主の間で、公平な交渉ができない可能性がある。
こうした問題が少しずつ社会的に認識されるにつれ、売主の利益を最優先にする「片手仲介」へのニーズが高まりました。
アメリカの「エージェント制度」の影響


世界一、不動産取引が活発なアメリカでは、日本のような両手仲介が一般的ではありません。
売主専門の「セラーズエージェント」と買主専門の「バイヤーズエージェント」で明確に分け、取引をおこなう形が主流です。
この仕組みを参考にした「売主専門のエージェント」が日本でも誕生し、少しずつですが「片手仲介」を基本とする売却エージェント会社が増えてきました。
情報化社会による影響
インターネットの普及により、ブラックボックスと言われていた不動産業界の内情が少しずつ知れ渡るようになりました。


これにより、
- 「手数料は満額取るのに、売却価格は安くなる」という不満や、
- 「両手仲介による囲い込み」に対して異議を唱える人が増え、
より透明性の高く、価値ある不動産の売却方法を求める人が増えました。
そこで、
- 高く売ることに特化し、戦略的に売却を進める
- 情報を透明化し、情報の囲い込みを防ぐ
- 買主の代理人ではなく、売主の利益を守ることに集中するetc..
これらを不動産売却エージェントが積極的におこなうことで「売主の利益を優先」し「仲介手数料の価値」を証明しやすくなりました。
そもそも両手仲介は利益が相反する
- 裁判では、原告と被告の利益は必ずしも一致しません。
- それと同じように、不動産取引においても、売主と買主の利益は必ずしも一致しません。
- 弁護士が”原告”と”被告”の両方を代理することは許されていません(双方代理の禁止)。
- 不動産会社も本来は「どちらか一方の立場に立つべき」なのです。


従って本来なら、日本の不動産業界もアメリカのように「売主側のエージェント」「買主側のエージェント」を完全に分けるべきなのです。
しかし日本では長年「両手取引」という慣習が続いており、今でも続いています。
- 大手不動産会社が市場を独占してきた
- 大手は「売主も買主も囲い込んだ方が儲かる」と考え、両手仲介を標準化。
- その結果、両手仲介が「当たり前」という状況になった。
- 不動産業法の規制が緩い
- 日本では「両手仲介」自体は法律違反ではない。
- しかし、囲い込みなど不正な手法が使われても、実際に処罰されるケースは少ない。
- 消費者が「不動産エージェント」という概念を知らなかった
- 日本では「エージェント=営業マン」のような認識が強く、「自分の味方になってくれる専門家」という意識がなかった。
- そのため、「売主側のエージェントを選ぶ」という発想が広まらなかった。
これらの課題は未だ解決できていませんが、エージェント型の取引形態が当たり前になっていけば、売主様の利益が優先される不動産取引に繋がっていきます。
売主の利益を守る存在として生まれた
現在の不動産業界では、これまで説明してきた「売主様の利益を蔑ろにする」という問題を解決するには、まだまだ時間がかかります。


そこで、
- 不動産会社によって、利益を蔑ろにされてきた売主の利益を守るため
- 従来の両手仲介による「不透明な取引」「囲い込み」「売主不利の価格決定」といった課題を解決するため
このような目的を持って、売主専門の代理人として動く「不動産売却エージェント」が誕生しました。
まだまだ市民権を得ていませんが、今後、一般の方や不動産業界人の意識が高まり、不動産売却エージェントの需要がさらに高まれば、より透明性の高い不動産業界・不動産取引が実現できるでしょう。
未だ根強い「両手仲介」権益
「片手仲介」をメインとした「不動産売却エージェント会社」は少しずつ増えてはいるものの、なかなか普及していません。
その理由は「既得権益」絡みによる「業界からの圧力」が未だ根強いからです。


大手から干された不動産会社
たとえば、ソニー不動産(現・SRE不動産)とヤフー不動産が、片手仲介を推進しようとしたことで、業界内から圧力を受けた実例があります。
- ソニー不動産の片手仲介宣言(2014年)
- ソニーが立ち上げた不動産会社「ソニー不動産」は、「売主の利益を最優先する片手仲介」を宣言。
- 従来の両手仲介による利益相反を問題視し、透明性の高い取引を目指した。
- ヤフー不動産との業務提携(2017年)
- ソニー不動産とヤフー不動産が提携し、「囲い込みを防ぐ透明な不動産取引」の仕組みを作ろうとした。
- 具体的には、売却情報を広く公開し、買主が直接アクセスできる仕組みを構築しようとした。
- 業界からの圧力でヤフーが撤退(2018年)
- 大手不動産会社からの圧力により、ヤフーはソニー不動産との提携を解消。
- 不動産業界は「片手仲介が広がると両手仲介の利益が減る」ことを懸念し、強い反発を示した。
- 結果として、ソニー不動産の片手仲介モデルは思うように広がらず、ヤフーも事業から撤退することに。
片手仲介は「儲からない」ので業界は抵抗する
ソニー不動産とヤフー不動産の試みは、「売主の利益を最優先する片手仲介」という正しい方向性でした。
ですが、不動産業界の既得権益と衝突し、広がりにくい状況になりました。
- 両手仲介のほうが手数料を2倍取れるため、片手仲介が広がると収益が減る。
- 囲い込みを続けられなくなり、他社と競争しなければならなくなる。
- 売主・買主の情報がオープンになれば、不動産会社の「情報の非対称性」が崩れる。
- 結果的に業界からの圧力を受け、干される形に。
しかし、近年では「囲い込みの問題」や「透明性のある取引の重要性」が消費者に認知されつつあり、片手仲介の重要性が再評価されています。
結論:売主の利益を考えるなら「片手仲介」
- 「高く売りたい」なら、片手仲介の売却エージェントを選ぶべき。
- 両手仲介は不動産会社にとって有利な仕組みであり、必ずしも売主にとって最善ではない。
- 特に「囲い込み」が行われると、高く売る機会を失うリスクがある。
よくある不動産会社選びの間違い
これらを考えると、ネットでよく目にするような「不動産会社の選定基準」は”大きな誤り”だと言っても過言ではありません。
大手不動産会社か?地元不動産会社か?
従来より、不動産会社選びでは、
- 大手不動産会社がいいのか?
- 地元の不動産会社がいいのか?
という議論がよくされています。果たしてそれは正解なのでしょうか?


大手 vs 地元「比較」
大手不動産会社のメリット | 地元不動産会社のメリット |
ブランド力があり安心感がある 資金力があり広告費をかけられる 全国規模でのネットワークがあるetc | 地域の特性や相場に詳しい 地元ならではの顧客を抱えている 親身に対応してくれる会社が多いetc |
大手不動産会社のデメリット | 地元不動産会社のデメリット |
案件によって優先順位をつけられる ノルマ優先の活動になりがちetc | 大手に比べ広告力・集客力が弱い 知識のない営業マンもいるetc |
会社→× スタイル→⚪︎
ですが、本当に重要なのは「大手か?地元か?」ではなく、売主様の利益を優先させた「不動産売却エージェント」を選ぶことです。
- 売主の利益を最優先する「片手仲介」を採用しているか?
- 「囲い込み」をせず、情報を市場に広く公開するか?
- 売却戦略や交渉力があり、高く売ることを重視しているか?
- 「両手仲介」を狙うのではなく、売主のためのエージェントとして動いてくれるか?
これらの基準が、本当の不動産会社の選定基準になります。
つまり「どの会社か?」よりも「どんなスタイルか?」がカギでしょう。
得意分野か?不得意分野か?
その他にも、
- マンションに強い会社
- 戸建てに強い会社
- 事業用物件専門
- 投資用物件が得意など、
不動産会社の得意・不得意分野を基準に選ぶ考え方がありました。
得意・不得意で選ぶ問題点


しかし、この考え方には 2つの問題点があります。
- 不動産会社が「得意分野」と言っていても、本当に高く売れるとは限らない。
- 両手仲介を狙う会社だと、いくら「得意」でも「囲い込み」されて損をする可能性がある。
つまり「得意分野=高く売れる」ではなく「得意分野=不動産会社が儲けやすいジャンル」と言っても過言ではないのです。
得意・不得意で選ぶ意味がない理由
そして、そもそも「得意・不得意」はあまり関係がありません。
なぜなら「レインズ(REINS)」を活用すれば、たとえ不動産会社が「不得意な物件」であっても、それらをカバーできるからです。
「レインズ(REINS)」とは、不動産会社が売却物件を登録し、全国の不動産会社がその物件情報を共有できるシステムです。
- 売却エージェントが売主の代理人として物件をレインズに登録(情報を広く公開)
- 全国の不動産会社がこの物件情報を見られる
- その物件に適した買主を持つ「得意な会社」が客付けをしてくれる
この仕組みを活かせば、売主が「どの会社が得意か?」を気にする必要はなくなり、自然と最適な買主に届くのです。


得意・不得意→× 透明性→⚪︎
- 得意・不得意を気にするより、レインズを活用して広く情報を公開してくれる不動産会社が大事。
- 売主にとって本当に必要なのは「買主を持っている会社」に見つけてもらうことであり、それはレインズを正しく使えば実現できる。
- 逆に「この物件はうちが得意です!」と言いながら[囲い込み]をする不動産会社には要注意。
- 「レインズ」を最大限駆使し、広く情報を公開する
- 得意とする物件の買主を抱えている不動産会社と積極的に商談をする
- 片手仲介を前提として「囲い込み」をしない
これらを実現するためには、片手仲介をメインとした不動産売却エージェントに依頼することが必須です。
結局のところ「不動産会社の得意・不得意」よりも「売却の仕組みの透明性」のほうが、売主にとってはるかに重要だということです。
信頼できる不動産会社選び「まとめ」


レベルの高いエージェントに依頼しよう
いかがでしたか?これまで「不動産売却エージェント」に依頼すべき重要性について解説してきました。
とは言え「不動産売却専門のエージェント」であっても、営業力や販売戦略が弱ければ意味がありません。
そのため「不動産売却エージェント」の実績や販売手法をしっかりチェックすることが重要です。
最後に、「不動産売却エージェント」の会社を選ぶ際の指針を簡単に挙げてみましたので参考にされてください。
不動産売却エージェントの選定基準
- 売主専門のサポート
- 売主の利益を最優先し、最も良い条件で不動産が売却できるよう戦略を立てる。
- 買主との間で利益相反が発生しないよう、買主の代理はしない(片手仲介)。
- 売却戦略を持つ
- 長所や短所を含めた不動産の価値・魅力を把握する。
- 価格設定、広告戦略、ターゲット分析を行い、売主に最適な売却プランを提案。
- 市場分析を基に「最も良い条件で売れる可能性のある価格」を設定する。
- 市場の透明性を重視
- 売却物件を広く市場に公開し、多くの買主を募る。
- 「囲い込み」をせず、他社の仲介会社とも協力して売却を進める。
- 交渉力に優れる
- 売主の立場で価格交渉を行い、最大限有利な条件で売却する。
- 状況によっては高く売ることよりも「より安全に確実に売ること」もサポートするetc..
その他、不動産売却エージェントの選定基準はまだまだあります。
もし「より詳しい選定基準を知りたい!」と思われた方は、以下よりお問合せしてみてください。