不動産売却一括査定で”高く売れない”これだけの理由

不動産売却一括査定は全くもって意味がありません。なぜなら・・・

藤 村

こんにちは、藤村不動産研究所です。

最近主流になりつつある「不動産売却一括査定」。

  • 高額査定が出た!その差⚫︎千万円!
  • 売却価格が800万円アップ!実例公開」
  • 「利用者の98%が満足!」
  • 「多くの方が高値で売却に成功!」

このような表現が多く見受けられます。でも実際は・・?まったく無意味です。

実は『不動産売却一括査定で一番高い金額を出してくれた会社が、一番危ないかもしれない…』

その理由を詳しく解明してきます!

この記事で知れること
目次

不動産売却一括査定は無意味

不動産売却一括査定は”集客”ビジネス

不動産売却一括査定は、あなたの不動産を高く売るためのツールではありません

不動産会社と広告会社が結託し、売りたい人を釣るための「集客ビジネス」です。

ですから、多くの売主様にクリックしてもらい、査定依頼につなげる。

そのために、インパクト重視の「釣り広告」のような表現が使われるケースが目立ちます。

  • 「あなたの不動産、最高価格で売れる会社がすぐ見つかる!」
  • 「たった1分で高額査定!」
  • 「相場より500万円高く売れた事例あり!」
  • 査定額でこんなに差が出る!あなたも損してませんか?」

このように”消費者を煽って誤解させるような表現”を駆使して「不動産の売却を検討している人」を釣っていくわけです。

不動産売却一括査定の流れ

不動産売却一括査定には、以下のようなスキーム(流れ)があります。

  1. 売主様からサイトを通じて査定依頼がくると、その情報が不動産会社に送られる。
  2. 不動産会社は、サイトに広告料を支払って参加する(1〜5万円)。
  3. 不動産会社は他社とも競争させられる。
  4. 案件を取らないと広告料が無駄になるため手段を選ばない。
  5. その1つの手段として相場より高い査定額を提示しがちになる。
  6. 結果として、「釣り査定」と呼ばれる実態とかけ離れた査定額が出る。
  7. そして売却依頼を獲得した後に「そんな高値では売れませんよ」と値こなしされる。

つまり不動産売却一括査定の運営(サイト)側と、不動産会社が結託しているわけです。

不動産売却一括査定は運営側が儲かるだけ

不動産売却一括査定の儲けのカラクリ

ネットの普及により、この不動産売却一括査定を利用する人が増加しました。

それと比例して不動産会社から紹介料がどんどん入って来る、実に”美味しい”ビジネスモデルになっていきました

ですから「査定させたら勝ち」という流れになっていったわけです。

  • 売主が査定依頼をする → 不動産会社に情報提供
  • 不動産会社からサイト運営側に紹介料(1件あたり1万〜5万円程度)が入る
  • 査定だけで終わっても、運営側は収益確保完了

つまり、売主が売ろうが売るまいが関係なく、「査定依頼さえ取れれば利益になる」仕組みになったわけです。

だからこそ、売主の事情よりも、

このような思いが強くなり、次のような煽り文句が使われ出したのです。

  • 「最高額で売れる会社が見つかる!」
  • 「知らなきゃ損する、あなたの不動産の本当の価値!」
  • 「査定額でこんなに差が出る!」
  • 「あなたの不動産、〇〇万円高く売れる可能性も!」
  • 「最短1分で簡単査定!」
  • 「大手から地域密着まで最大6社を比較!」
  • 「全国2,000社以上の不動産会社が登録!」
  • 「一括査定サイト利用者数No.1!」etc…

このようにカンタン」「便利で楽ちん」「高く売れる」「実績がある」という期待感を、極限まで煽ってくるわけです。

まさに熾烈な広告合戦に、一般の方は完全に飲み込まれています。

不動産会社は”売らせないと”儲からない

必ずモノにしたい不動産会社

不動産会社側(特に不動産営業マン)から見たらどうでしょうか?

不動産売却一括査定は「地獄のスタートライン」とも言われています。なぜなら、査定することがゴールではなく「売らせること」がゴールだからです。

  • 紹介料(広告費)を先に払う→【赤字スタート】
  • 複数社競合→他社よりも魅力的に映る必要がある
  • 売主に気に入られたい → 査定額を高めに言いがち
  • 媒介契約を獲得 → ようやくスタート地点
  • 契約取っても売れなければ無収入 → 焦って安値誘導や囲い込み…

不動産売却一括査定経由で、案件を受け取った不動産営業マンは悲痛。まさに板挟み状態です。

  • 「上司から『なんで契約取れないんだ!』と詰められる」
  • 「紹介料分は回収しろ、とプレッシャー」
  • 「ライバル会社が高い査定額を出してたら、こっちも盛らざるを得ない」

このような現場のリアルがあります。まさに、「数字に追われる不動産営業マンの悲哀」です。

ですから結果的として、以下のようなことが多々起きます。

  • 「査定額=売れる額」ではないのに、売主は「一番高い査定額だったから」と媒介契約してしまう。
  • 営業マンも「高値で売る」と言った手前、すぐには値下げを言い出せず、売れずに時間が経過。
  • 最終的に『そろそろ価格を下げませんか?』と誘導。
  • 安値成約で、営業マンは何とかノルマ達成。

売主からすれば『結局、安くしか売れなかった』という残念な結果になるわけです。

なんとしでも売主に売らせる手口

査定額を高く提示するだけではビジネスにはなりません。

  • 市場に売りに出して、
  • 買手を見つけ出し、
  • 売却してもらわなければ不動産会社は儲けになりません。

ですからいかに「売主を説得しつづけるか?」が重要になってきます。

たとえば「もう買いたい人がいるんです!」とか、「この価格ならすぐ決まりますよ!」といった甘い言葉で、売主様をその気にさせる営業手法がよく使われます。

【営業現場でよくあるトーク例】

  • 「実は、このエリアで探しているお客様がいまして…」
  • 「ちょうど条件にピッタリ合う方がいるんですよ」
  • 「〇〇様が今決断していただければ、その方に紹介できます!」

まずは「架空の買主」や「見込み客」をチラつかせて、その気にさせます

【売主様の心理】

  • 「もう買いたい人がいるなら、早く売れるかも!」
  • 「希望価格で売れるなら、お願いしてみようかな」

と、つい期待して媒介契約を結んでしまう。

【その後、どうなるか?】

  • いざ媒介契約を結ぶと、「買いたい人、やっぱりダメでした…」
  • 「でも、他にも探してますから」と言いつつ、時間が経過。
  • 最終的に、「やっぱり価格を下げませんか?」と誘導。
  • 売主様としては、「ここまでお願いしてきたし、仕方ないか…」と折れてしまう。

つまり、「最初に期待を持たせて契約を取る→あとで値下げに持っていく」という、流れが王道のセールスパターンです。

こんなえげつない不動産業者も存在する

昔ほど減ったものの、中には勝手に売り物にしてしまう不動産営業マンもいます。

  • 売主様が「ちょっと相談したい」と言っただけなのに…
  • 売主様の不動産が売却物件情報として出回っていた!

これは居住用不動産よりも事業用不動産で、今でもよくあるケースです。

なぜ、そのようなことをするのか?

それはリアルな買主を見つけてくれば、売主を説得できると思っているからです。また、

これらが、不動産業界にはありがちです。

不動産売却一括査定の矛盾と誤解

ここでは「不動産売却一括査定の」矛盾と誤解をとりあげ、ツッコんでいきたいと思います。

プロは使わないのに「最高額がわかる!」と謳う

不動産売却一括査定が本当に“最高額で売れる魔法の仕組み”なら・・・?

不動産会社のプロが自社の物件や、自分の自宅を売る時に、必ず利用するはずです。

しかし、現実にはどうでしょう?答えは「NO!」です。

プロの間では「あんなところで査定するかよ」と鼻で笑う人も多く、利用したら笑い者にされます。

その理由は以下の通りです。

  • 「査定額」なんて、営業マンが“案件を取るため”に盛っているケースも多いと理解している。
  • 何をどう活動していくか?その「売却戦略」が重要であり、単なる査定額で選ぶことに意味がないとわかっている。
  • 高く売るためには「市場に広く情報を出し、魅力を発信して、多くの買主に競争してもらう」ことが大切だと知っている。

つまり、プロは「査定額」ではなく「販売力」で選ぶわけです。

「査定額が高い会社=良い会社」?

査定額が高ければ良い会社で、高く売ってくれるように感じます。

でも、実際は契約を取るために、最初に高めを提示しているだけです。

査定額と実際に売れる価格は別物。むしろ「高く言う=要注意」のケースがほとんどです。

最短●秒で査定結果…出るワケない

スピードを強調しているケースも多いですが、そんな短時間で正確な査定なんて不可能です。

プロからすれば「“スピード重視”=テキトーな査定額」を出しているだけ。

本当にプロが物件を見て、相場や事例を確認すれば数日はかかるのが普通です。

むしろテキトーな査定額は、後々、値下げをさせる材料を不動産営業マンにつくらせることになります。

「簡単入力で複数社比較!」で地獄

そう言っておきながら… 実際に申し込んだら・・鬼のような電話攻勢

「カンタンでラクになる」はずが、「面倒くささMAX」になること請け合いです。

本当に「選ばれた優良企業だけ」?

サイト運営側は「厳選!信頼できる不動産会社だけ!」と謳っていますが…

実際に会ってみると、明らかに経験不足、知識不足、強引な営業マンも多く混じっています

サイト側の審査は極論言えば「紹介料を払える会社か」が基準です。

つまり「金払いの良い不動産会社=信頼できる優良企業」なのです。

本当に「どこよりも高く売れる!」の?

「どこよりも高く売れる!」のに、結局“囲い込み”がある実態です。

運営側は「複数社の競争だから高く売れる」と説明します。

ですが実際は、売却依頼を取った後「囲い込み」や「値こなし」で安く売らされてしまうケースが後を絶ちません

不動産会社を競争させても、結局は不動産会社が儲ける仕組まれたレーンに乗せられるのです。

「査定だけでもOK!」とはならない…

「とりあえず査定だけ」「売るかは自由」と気軽に見えます。

ですが、 実際はしつこい営業攻勢。なぜなら彼らにはノルマがあるからです。

そんな営業マンも多いです。


こうして並べると、不動産売却一括査定は「売主様のため」と見せかけに過ぎず、その実態は“紹介料ビジネス”です。

  • 運営会社いかに査定をさせるか?
  • 不動産会社いかに売却依頼を獲得して売らせるか?

これらが目的であり、あなたの不動産を高値で売ることが目的ではないのです。

まとめ

宇治市・伏見区・山科区の不動産売却エージェント

このように謳う「不動産売却一括査定」。ですが、その実態はまったく異なります。

改めて…不動産売却一括査定は利用価値なし!

① 高額査定は契約を取るための“釣り”

  • 査定額は「契約を取りたいがために高く見せるだけ」。
  • いざ売り出すと、「この価格では売れません」と下げさせられるケースがほとんどです。

② 営業攻勢と囲い込みのリスク

  • 一括査定に申し込むと、複数の不動産会社からしつこく電話が来ます。
  • しかも、媒介契約を取った後は「囲い込み」「値こなし」で安く売らされる恐れも。

③ サイト運営側は紹介料ビジネス

  • サイト運営会社は、売却するかどうかに関わらず、「査定依頼=紹介料」が利益。
  • だから過剰に煽り、売主を焦らせるような広告を打つのです。

④ プロ(不動産業者)は利用しない

  • 本当に一括査定で最高額が出るなら、不動産会社の社長や営業マンも自分の物件で使うはず。
  • しかし、誰も使いません。これが何よりの証拠です。

不動産売却一括査定を安易に利用すると…

一括査定サイトは、「売主のため」ではなく「不動産会社とサイト運営会社が儲ける仕組み」。

安く売らされるリスクが高く、売主にとってメリットはほとんどありません。

安易に申し込まず、本当に信頼できる会社を自分の目で見極めることが、成功への近道です。

売主様の大切な不動産です。くれぐれも「高値査定」に惑わされず、冷静なご判断を。

不動産業界の闇をもっと知りたい方は…

不動産業界には他にも、さまざまな闇が隠れています。

その中でも「不動産会社・不動産営業マンが売主であるアナタの味方になれない理由」を詳しく解説している記事がありますので、あわせて熟読されてください。

不動産の売却成功へと近づきます。

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